「監督ガットゥーゾ」の魅力と期待【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
迷走状態のナポリを復活させアイデンティティーを与える
ガットゥーゾは選手時代と同じく、全身全霊をかけて仕事に取り組む。妹の死去という悲劇にも耐えながら、ナポリを力強く牽引する。(C)Alberto LINGRIA
混迷していたナポリを復活させ、コッパ・イタリア優勝に導いたガットゥーゾ。現役時代さながらの闘争心はもちろん、人心掌握術や戦術的対応力も見逃せない。イタリア中から愛される男の監督キャリアに期待がかかる。(文:マウリツィオ・クロゼッティ/訳:片野道郎 2020年7月2日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イタリア』を転載) ―――◆―――◆――― 「リーノ」の愛称で知られるジェンナーロ・ガットゥーゾは、イタリアのどの監督とも異なる存在だ。まだ42歳だが、もう何十年もこの仕事をしてきたかのように見える。 ガットゥーゾは、強い信念と意志の力という伝統的な価値観を心から信じる昔気質の人間だ。世界で最もダイナミックかつアグレッシブなインコントリスタ(守備的MF)として名を馳せた現役時代のニックネームは「リンギオ」(獣の唸り声の意)。実際、リーノは唸り声を
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