何百万円もかけたMVがお蔵入り…ソニー・ミュージックアーティスツ 木村麻里子社長の駆け出しの20代
今の時代にフィットした生き方や働き方の先にある女性リーダー像って? そんなテーマを掲げて編集長の鎌田倫子が女性リーダーにインタビューする連載。5人目は、ソニー・ミュージックアーティスツ代表取締役執行役員社長の木村麻里子さんにご登場いただいた。ソニーミュージックグループの事業会社で女性の社長は初めて。自分にできることを自問自答しているといい、「まだ答えが出せていません」と本音を明かした。 【写真】この記事の写真をもっと見る ――ソニーミュージックグループの中では女性の社長は初めてです。 木村麻里子さん(以下、敬称略):これまで仕事をする中で男女の区別をあまり感じることはなかったですね。女性が働きやすい会社だとは思いますが、管理職となると女性の数はグループ内を見渡してもまだまだ多くはないとは感じています。そんな中、私が今回このようなお役をいただいて背筋が伸びる思いです。 ――今の立場になって、ご自身の役割をどのようにとらえていますか。 木村:私の仕事は、弊社所属のタレントやアーティスト、そしてスタッフが大いに活躍できる環境を整えること、企業としての結果を数字で果たすこと、この二つの軸で考えなければならないと思っています。後者の数字については、設立から50年、先人が築いてくれたものを受け継ぎつつ、自分自身としては新たな分野になるプロダクションビジネスをもう勉強中です。これまでは音楽レーベルで情熱と人間関係、そして勢いで仕事をしてきましたから、今の立場になって、新たに学ぶことばかりの毎日です。これまでと変わらず「人」としっかり向き合った仕事をしていきたいなと思っています。 前者の環境を整えることは、やはり現場のスタッフと一緒に試行錯誤していかないといい方向が見えてこないですよね。実際の仕事は任せるとしても、いつまでも現場に近いところの感覚でいたいという気持ちがあります。 役割となると、私には特別なスキルがあるわけではないので何ができるか自問自答しています。でも、自分なりのアンテナを持ち、今必要だと思うことを考え、全力で私は動く。そんな考えでいます。