「もう10万kmも走ったからそろそろ」なんでまだまだ新車だろ! 「タクシー50万km」「バス100万km」なんて当たり前な旅客運送車両の世界
アメリカでは3年落ちで10万kmなら低走行車
昭和や平成前期のころにおけるマイカーの年間平均走行距離(通勤・通学には使わない)はおおむね1万km程度とされていた。しかしその後、さまざまな社会環境の変化もあり(環境意識の高まりなどでマイカー利用を控えるようになるなど)、いまではおおむね7000km前後が年間平均走行距離とされている。通勤や通学に使うとしても、年間平均走行距離は1万kmぐらいではないかとされている。もちろん、個々のカーライフで走行距離は大きく変わってくる。 【写真】60年前の激レアバスが復活! 三菱ふそうMR430が凄い(全22枚) 一般論として、長距離移動での利用がほとんどなく、通院や買い物程度の利用がメインとなるお年寄り(とくにお爺さん)が使っていたクルマは、走行距離が少なめというだけではなく、手入れも行き届いていて中古車では人気が高いともいわれている。 通勤や通学だけならまだしも、仕事でもマイカーを使うとなると、走行距離もグングン伸びてしまい、見た目もかなりくたびれた雰囲気に溢れてしまう。 アメリカでもとくにクルマ社会とされる南カリフォルニア地域の年間平均走行距離は、過去には4万km前後とされていた。「3年落ちぐらいで10万kmいっていなければ、低走行距離車として注目されていた」とは事情通。その南カリフォルニアでも、いまではそれを下まわる年間平均走行距離になっているとのこと。 その昔、デトロイトショーの取材に出かけたときに、宿泊したホテルでフロント仕事のバイトをしていた地元の男性と仲よくなり、会場までの往来を彼のクルマでお願いすることにした(もちろんそれなりのお金は払った)。彼のクルマは10年落ちぐらいの日本メーカー車であった。サスペンションも抜けているのか、ややローダウン気味になっており、助手席のドアは外側からしか開閉することができなかった。 あるとき、ふと助手席から計器盤のオドメーターをみると、20万マイル(約36万km)となっていて驚いた。前述したとおり、見た目はかなりヤバイ感じだったのだが、エンジンやトランスミッションは目立って不具合があるということは感じなかった。頻繁にエンジンなどに手を入れていれば、走るぶんにはそれほど問題なく長もちするものだと感心したことがある。