アフリカ生まれの絵本ってどんな内容? “才能を披露する場がない”イタリアから世界へ発信
ブックフェアに出展した理由を聞いてみると…。 「提案してくれた子の声が 世界中に届くように。ウガンダの子、才能ある子の声が届いていない、披露する場がありません。ウガンダの子どもがこれだけ本を書けることが知られていません」 「話を作った子の多くが、生活が苦しい。この子のストーリーを売ったお金をその子に返す、それでその子が学校に行ったり、生活が良くなったりするといい。ウガンダは開発途上国だから、まずはウガンダの文化を世界に知ってほしいです。子どもたちに返したい」
【あとがき】 世界で心を痛めることが多く起こっている中で開催された、今年のボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア。公式文書の今年のトレンドの欄には、「この時代に鳴り響く警報に突き動かされて、“サステナビリティ”はかつてないほど、児童書の世界に登場してきた。視点を変え、人類を新たな平等な関係に置くこと…一緒に世界を救おうと、本は我々を誘ってくる」という文言も。紛争、人権、地球環境…私たちが直面している世界課題は、そのまま児童書の世界にも波及しています。 ボローニャ国際絵本原画展は7月2日から板橋区立美術館で開催されており、8月17日からは兵庫県の西宮市大谷記念美術館でも見ることができます。子どもたちが人生の初期に出会うアートとしての原画の美しさを味わうと共に、伝えたいメッセージについても改めて考えさせられました。 (取材・構成 杉上佐智枝)