アフリカ生まれの絵本ってどんな内容? “才能を披露する場がない”イタリアから世界へ発信
■制作、印刷、紙…全てが“メイドインアフリカ”の絵本
そしてもう1つのテーマが、“スポットライト オン アフリカ”です。『ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア』では3年前からアフリカの絵本に着目し、コミュニケーションやPRの場を設けているそうです。今年はアンゴラ、ベナン、カメルーン、トーゴ、ウガンダの5か国が、アフリカから初めて出展しました。 主催者のエレナさんは、アフリカからの出展について「彼らと対話することは、(アフリカの出版社を)スカウトすることを使命と考えている私たちにとって、大きな手助けになります。まだあまり国際的に知られていないアフリカの状況を知る手立てとなりますから。それと同時に、彼らにとっても国際舞台に立ってコミュニケーションをとっていくための有効な一助になっているのではないでしょうか」と話しました。
まず訪れたのは、カメルーンのブース。自ら手がけた絵本を持って参加していたジュリアン・ケムローさんは、自分の6歳の娘にもわかるように作ったという実在の偉人 シェイク・アンタ・ディオプを描いた絵本を紹介してくれました。
ジュリアンさん 「この男性はセネガル出身で、フランスのソルボンヌ大学で博士号をとり、歴史学者、エジプト研究者、文化人類学者、医師、科学者、言語学者でした。シェイクアンタディオプ大学というセネガル最大の大学の名前にもなっていて、“アフリカ・ルネサンスの父”と言われています」 制作、印刷、紙まで全てメイドインアフリカで生み出した絵本だといいます。
■「ウガンダの文化を世界に知ってほしい」
次に訪れたのは、ウガンダのブース。ウガンダには多くの出版社があり、絵本が好きな子どもたちも多いそうです。どんなものが人気なのでしょうか? アッシャさん 「特に人気なのは、耳の聞こえない子どもを主人公にした作品です。生まれた時は聞こえていたけれど、だんだん聞こえなくなった。とても興味深いストーリーで、子どもたちはみんなこの話が大好きです」 この作品の作者は、ろう学校の生徒。この出版社は、子どもたちが描いた子どもたちのための本を出版しているといいます。