玉正鳳、外国出身ではスロー出世1位の79場所で新入幕 素顔はモルモット溺愛 会見後に披露
日本相撲協会は23日、初場所(来年1月12日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、モンゴル出身の玉正鳳(たましょうほう、31=片男波)が、外国出身力士として戦後1位のスロー出世となる、初土俵から所要79場所で新入幕を果たした。従来はロシア出身の阿夢露の所要74場所が、外国出身として最も遅い新入幕だったが、これを5場所上回った。31歳9カ月17日での新入幕も、日本出身を含めても、戦後8位の高齢昇進となった。 東京・墨田区の部屋で会見した玉正鳳は「うれしい。長年の夢であって、目標を達成できてよかった」と、満面の笑みで話した。スロー出世で1位となったことには「別に、あまり気にしていないです。早く上がるか、遅く上がるかはこれから。上がってから長く相撲を取れれば、それで十分と思っています」と力説。兄弟子で、実姉の夫という義理の兄でもある関取衆最年長40歳の玉鷲が、現在も幕内で元気に取り続けている姿を見て「自分もまだ若い」と、成長を続け、出世できると確信している。 同席した師匠の片男波親方(元関脇玉春日)は「餅つきしているのを見たら、すごかった。体全体を使う餅のつき方。相撲よりも餅のつき方で、彼のことを認めた。もしかしたら十両、いけるんじゃないかなと。体のしなりとか、腰の使い方、上体の使い方が非情にうまかった」と、振り返った。ただ幕内まで番付を上げるとは「思っていなかった」とし「先場所10番勝ったといっても、うち2番は反則勝ちと不戦勝。運がある」と、さらなる精進を期待した。 会見では、ともに昨年生まれたオスのモルモットの「ハムちゃん」と「カムちゃん」という、2匹のペットを溺愛していることも明かした。1度は会見が終了した後に、近所で独り暮らしする自宅に、2匹を取りに帰った後、再び部屋を訪れて写真撮影に応じた。2匹とキスした後に「かわいい!」と、ほおずりしながら目じりを下げていた。【高田文太】