カクテル「煙に巻く」とは? サプライズでもてなすバー、ウェスティンホテル東京
連載《hotel TIPS》Vol.11
編集長がホテルのおいしいものや楽しみを探しに行く「hotel TIPS」。今回はウェスティンホテル東京(東京・渋谷)22階にあるバー「スカイバー エスカリエ」を訪ねました。ホテルが立つ場所は、かつて東京・恵比寿にあったサッポロビールの工場跡として知られています。その土地の記憶が投影されたカクテルがあると知り、ぜひ、飲んでみたいと思いました。 【動画・写真はこちら】見ればサプライズ確定!? 「煙に巻く」はこう作る…バーテンダー界の大スター・後閑信吾さん考案のレシピ
■ビール工場の「記憶」 店内の造形に
店内に足を踏み入れてまず目を奪われるのは、正面に据えられた、白く繊細な曲線が折り重なる美しいオブジェです。その不思議な造形について、マネージャーの前沢昂臣さんが教えてくれました。 「このお店は煙突と煙がデザインモチーフになっているんです」 ほかにも煙を模した大小のアートが飾られ、ミラーのような天井のパネルが照明を反射してキラキラと輝き、幻想的な雰囲気を演出しています。 2023年12月、それまであったクラシックなバーを改装して誕生したエスカリエ。そのデザインに取り入れられたのは、元々ビール工場があったという恵比寿の原風景です。ホテルの最上階にあるバーに、工場のてっぺんにある煙突のイメージを重ね合わせ、内装のトーンは煙突を連想させる銅色に。そしてモクモクと湧き出る煙のフォルムをアクセントとして随所に配しました。 さらに前沢さんはこんなタネ明かしを。 「もう1つのコンセプトがサプライズです」 メニューを繰ってみると、ずらりと並ぶドリンクの名前は、「午後の編み目」「泡立ったリンゴ達」といった具合に、どれも一風変わったものばかり。ひときわ目を引いたのが、「Smoke and Mirrors 煙に巻く」。なんともとぼけた名前ですが、煙がモチーフのバーならでは。その1杯はどんな出来栄え?と想像力がかき立てられます。 そこですかさず前沢さん。 「Smoke and Mirrorsとは、もとはマジシャンがお客様をだますときに使う言葉。スモークとサプライズを体現するカクテルです」