面接で「すぐ辞める」社員を見抜く「魔法の質問」とは?
【OK!】 「今回の就職(転職)にあたって、重視するポイントを3つ挙げてください。たとえば、ワークライフバランスとか、高い給与といった処遇面とか」 ただ漠然と「3つ挙げてください」だと応募者も回答しづらいので、こちらから例示しておきます。たとえば残業が多い働き方の職場だとしたら、ワークライフバランス重視の人とは相いれない可能性が高いと言えます。 「やりがい」や「自己成長」といった、曖昧さが残る点を重視すると回答されたら、次のように聞いて、定義してもらってください。 【OK!】 「あなたにとってのやりがい(自己成長)とは?」 たとえば、「やりたい仕事ができる」が定義なら、そのやりたい仕事を入社直後から提供できるかという点から、自社に合っているかの判断材料にします。 ● 質問(3)「コミュ力」を見抜く 「あなたにとって仕事とは?」 仕事を進めるに当たり、コミュニケーション力(以下「コミュ力」)は非常に重要です。面接で、ある程度は測れるはずです(ズレた回答を連発するなら要注意)。 【OK!】 (1)「あなたにとって、仕事とは何ですか?」 「○○についてどう思いますか?」 (2)「仕事をする上で、苦手なタイプはどんな人ですか?」 「その苦手な人と、どのように付き合っていきますか?」 (3)「あなたは、周りからどのように言われることが多いですか?」 (4)「独りで黙々とする仕事と、仲間と一緒にする仕事、どちらがやりやすいですか?」 (5)「それはなぜですか?」
(1)漠然としていて、パッと答えにくい質問。事前に回答を用意できないため、即応性を見ることができます。 (2)苦手なタイプを聞いて終わりではなく、それにどう向き合うのかまで突っ込んで聞くことで、苦手から回避しないコミュ力を感じ取ることができます。 (3)周りとコミュニケーションがとれている人なら、周りからの自分の評価を把握できているはずです。 (4)周りとコミュニケーションを取ることに関して、ポジティブなのかネガティブなのかが見える質問です。 (5)コミュ力が高い人は、回答が論理的で一貫性があります。回答を深く追及することで、それをあぶり出すことができます。 ● 質問(4)「協調性」を見抜く 「職場の人と意見が対立したら、どうしますか?」 少数精鋭の中小零細企業に、協調性の乏しいわがままな社員が一人でもいたら、会社組織が崩壊しかねません。協調性を測るのに有効的な質問は、以下です。 【NG!】 「協調性は、ある方ですか?」 【OK!】 (1)「チームワークを発揮して成果を出した経験があれば、教えてください」 (2)「職場の人と意見が対立したら、どうしますか?」 (3)「余裕がない状態で、職場の仲間から支援を求められたら、どうしますか?」 (4)「仕事をする上で、大切にすべきことは何ですか?」 (5)「これまでにチームで成し遂げた経験と、その中でのあなたの役割について教えてください」 (1)(5)やはりこうした経験が乏しいと、会社組織に入ってもどうふるまえば良いかすらわからず、協調性に欠ける可能性があります。 (2)対立を解消した経験があれば、それに基づいて回答するはず。その解消法から協調性の有無を判断できます。 (3)「もちろん、支援します」と回答したら、「余裕がないのに?」と追及して、本当にそこまで対応する気持ちがあるのか、本音を引き出します。 (4)あえて漠然とした質問をすることで、ここで「個人>組織」という旨を感じ取れたなら、協調性に乏しい可能性があると見ます。 こうしたストーリーを語ってもらえば、協調性の有無を測る材料を複数、収集することができます。
中谷充宏