面接で「すぐ辞める」社員を見抜く「魔法の質問」とは?
大手と違い、小さな会社では採用にかけられる予算も限られています。10年後、20年後に会社の柱となるような人材に来てもらえるような採用活動をするには?キャリアカウンセラー・社労士の中谷充宏さんの『小さな会社の採用 お金をかけなくてもここまでできる!』(秀和システム刊)から、採用面接ですぐに辞めない「即戦力」の人材を見抜く方法を紹介します。 【この記事の画像を見る】 ● 質問(1)本音を見抜く 「当社についてご存知のことを、すべて話してください」 面接テクを身につけた応募者の本当の姿を面接だけで見破るのは、実際のところかなり難しいです。筆者は面接を開始する前に、 「一緒に働くとなると、家族より長い時間を共有することになるので、ミスマッチがあるとお互いに不幸ですよね。それなので、できるだけ本音で話してください。もちろん、私も本音でお話しします」 と伝えていますが、それでも本音ではなく建前の話は混ざってきます。 といっても、ありきたりの質問ではなく、聞き方を変えることで、その糸口を見出すことができます。 たとえば「当社への志望度は?」と聞かれたら、応募者はほぼ「志望度は高いです」、「第1志望です」と回答するでしょう(そう言っていたのに、次の選考や内定を辞退された経験、ありますよね?)
それなので「当社を志望する理由を教えてください」とそのまま聞いても、効果的ではありません。同業他社でも当てはまる凡庸な回答しか返ってきません。 そもそも知名度のない中小零細企業ですし、「ここで働いてみたい」という意欲は、面接や説明会等で実際に働く社員から話を聞くなど、双方のコミュニケーションを通して熟成していくものですので、いきなり面接で聞くこと自体、無理があります。 【NG!】 志望動機についての質問が、「当社を志望する理由を教えてください」のみ。 【OK!】 「当社についてご存知のことを、すべて話してみてください」 湯水のように自社の情報が出てくるのか、だんまりか。事前に企業研究をきちんとする人なのかが見えますし、自社への想いの強弱も測ることができます。 ● 質問(2)「すぐ辞めないか」見抜く 「重視するポイントを3つ挙げてください」 社員数が少ない中小零細企業にとって、新しい人材を採用しても即座に退職されるというのは、かなりの痛手です。すぐ辞めるかどうかなんて、そもそも誰もわかりませんが、その傾向があるかは、質問の仕方である程度把握できます。 ストレートに聞いても、「もちろん、すぐ辞めたりしません」、「はい、御社で長く働きたいと思っています」といった建前の回答しか得られないでしょう。 【NG!】 「すぐ辞めたりしませんよね?」 「当社に入社したら、長く勤められますか?」 ここも聞き方を変えてみましょう。