ソフトバンク・浜口「子供ながらに凄いなと思っていた」強いホークスの一員として地元で復活
地元・九州でもう一花咲かせる。DeNAからトレードでソフトバンクに加入した浜口遥大投手(29)が7日、みずほペイペイドームで入団会見に臨んだ。佐賀県出身の左腕は故郷から近い福岡の地で昨季2勝からの復活を強く誓った。通算44勝をマークし、気迫を前面に出す投球スタイルが魅力。新天地でも「がばい魂」でリーグ連覇、日本一奪回に貢献する決意を語った。 新たに背番号13をつける左腕・浜口が力強く決意を口にした。「素晴らしいご縁をいただき、新しい環境でトライできるチャンスをいただいた。一試合一試合、気持ちを込めてホークスの優勝のために貢献していければと思います」 DeNAでは入団1年目の17年に10勝をマーク。同年のソフトバンクとの日本シリーズ第4戦で先発し、8回1死までノーヒットの快投を見せた。通算44勝の実績を誇り、交流戦通算8勝2敗とパ球団との相性が良い。「緩急が持ち味になると思います。自信を持って投げていきたいです」と力を込めた。 佐賀・基山町の出身だ。福岡との県境にあり、よく遊びに出かけて、野球観戦にも訪れたという。「強いホークスしか見てなくて子供ながらに凄いなと思ってました」。斉藤和巳3軍監督、昨季限りで引退した和田毅氏、巨人・杉内俊哉投手チーフコーチの投球に胸を躍らせた。 「今回こうして九州に戻ってくることができて、友人や知人など本当に喜んでくださる方も多くて。そういう方のためにもしっかり頑張りたいなと思います。連絡はプロに入って一番というくらいもらったかもしれません」。高校までを過ごした地元・九州で輝く姿を見せる。 DeNAでは昨年の契約更改交渉でリリーフ転向を訴えていた。昨季11試合全て先発で登板し、2勝4敗、防御率3・25だった。「ここ2年、先発として結果が出てなくて、自分の中でも何かきっかけが欲しいと思っていた。野球人生を懸けた一年として25年を迎えると思っていた」。新天地では役割にこだわらず、求められる場所で腕を振る。「必要とされるところで、必要とされる仕事を全うできるようにしたい」。この移籍を復活へのきっかけにする。 昨年の日本シリーズでは第6戦の5回に2番手として登板。3者凡退に抑えると雄叫びを上げ、スタンドに向かってさらなる声援を求めた。「期待はしないでほしいですけど…。ああいうのが出ることもあるので、温かく見守っていただければ」。熱い左腕が気迫の投球でチームを日本一奪回へ導く。 (木下 大一) ○…浜口がメキシコ武者修行の日々を振り返った。ウインターリーグで13試合に登板して2日に帰国したばかり。「人生にとってかけがえのない財産になりました。日本と違って生活しにくい部分もあるんですけど、そこに適応する気持ちというか、鈍感力というか。学ぶことが多かったです」。トレードの一報も同地で登板試合の前に伝えられたが、動揺せずにマウンドに上がった。貴重な経験を新天地で糧にする。 ◇浜口 遥大(はまぐち・はるひろ)1995年(平7)3月16日生まれ、佐賀県出身の29歳。三養基から神奈川大に進み、16年ドラフト1位でDeNA入団。1年目の17年に10勝を挙げ、新人特別賞を受賞。21年に自身初の開幕投手を務めた。昨季は11試合登板で2勝4敗、防御率3.25。日本シリーズ第6戦では救援で1イニングを3者凡退に抑え、26年ぶりの日本一に貢献。1メートル73、80キロ。左投げ左打ち。