学歴不問採用なのに「内定者、難関大生ばかり」になる理由…“落ちる就活生”が気づかない「大学名以外」のフィルター【キャリアコンサルタントが解説】
「1年だけ努力すること」で学歴フィルターは突破可能
就活は学歴不問、なのに難関大生の「優秀層」ばかり大手企業や外資系企業、大人気企業上位50社から内定を貰える。これって学歴フィルターじゃないの? と訝しむものではありません。難関大生は、「=努力をしてきた、これからもできると思われる人」なので、就活でも努力を惜しみません。その努力が結果に反映したに過ぎません。これこそが、難関大生が有利な理由です。 となると、その努力を真似さえすれば、たとえFラン大生でも「優秀層」と同じ企業から内定を取得することができる、ともいえますよね。 ここまで出た生涯収入最大化のための事項をまとめると、 ●30社に「興味・関心」を持ってリスト化すること (⇒関連記事:『「就活生へ。『自分史』作りは絶対するな」…キャリアコンサルタントからの衝撃アドバイス【就活の技法】』) 。 ●大学3年生春の時点でスタートを切ること。 ●「優秀層」スケジュールで動くこと。 でした。これらはすべて努力でできることですよね? 同じように、生涯収入最大化のために必要不可欠な、結果論としての学歴フィルターを突破するための努力を説明していきます。
いわゆるFラン大生が「一発逆転」する方法はある
事実上、存在する学歴フィルターを突破するには、それ相応の努力が必要です。ですが安心してください。努力する期間は最長でも1年間であり、そこまで時間も労力も投入しなくて済みます。それは「企業の要望にすべて応える」という、意識の問題だからです。 結果的にフィルターとなっている7つの要素への対策を記します。 1. WEBテストや適性検査対策については、ある程度の時間と労力をかけます。対策のしやすさと採用している企業数から、優先順位はSPIが最上位です(適性検査を課している企業のおよそ7割)。参考書片手におよそ30~40時間かければじっくり対策ができますので、1日30分の対策を2ヵ月間続けられるよう、大学3年生の夏から半年かけてスケジューリングしてみてください。その他の適性検査対策は、企業がどんな適性検査を採用しているか知ってからでも十分間に合います。 残りの、 2. ESの不備・不満 3. メールやチャット、会社説明会での基本的なマナー 4. 企業独自のコミュニケーションツール導入 5. 朝活&早朝対応 6. 早期&長期インターンシップ 7. オンライン対応 については、意識さえすれば簡単に克服できるはずです。企業の採用担当者が不備を指摘せざるを得ないESを就活生から受け取ったら、どう感じてしまうのか? 不満を覚えてしまう対応を就活生に取られたら、どう思うのか? そうです、お見送りです。意識だけの問題なのに、対策しないのは本当にもったいないです。 「2. ESの不備・不満」については、どう書けばいいのかわからない、薄い内容しか書けない、そもそも書くネタがない、そう悩んでいる就活生向けに次回以降の記事で詳しく解説しますが、あとは心の内に潜む「面倒くさい」との戦いでしかありません。 寝坊や遅刻、ドタキャン、スケジュール調整しない、適当に扱うetc…。これは企業の採用担当者という、就活生を待っている相手がいる限り、社会人になる人間としていかがなものか、と評価されてしまう態度です。残念なことに、これらに対応できない就活生の大半がいわゆるFラン大生なのです。 こんな学歴フィルターで弾かれないように、努力を惜しまないでください。たった1年だけの努力で、難関大生に一発逆転できる可能性が出てきますし、社会人になってからのキャリアにも絶対に活きてきますから。 森田 昇(もりた のぼる) キャリア開発・DX講師、ITベンチャー企業の外部人事部長 キャリアコンサルタント、中小企業診断士。一般社団法人リベラルコンサルティング協議会代表理事、日本能率協会マネジメントセンターパートナー・コンサルタント。 IT業界20年の経験と転職10回したつまずきを基に、キャリア開発・DXの研修講師として100社以上に研修を実施、再就職支援セミナーをハローワークで100回超開催。キャリアコンサルタントとして学生含めて約2,000人の転職と再就職・就活支援を行う。またITベンチャー企業の外部人事部長として新卒・中途採用に携わる。 著書に『売れる!スモールビジネスの成功戦略』(明日香出版社、2020年)、『年収300万円から脱出する「転職の技法」』『生涯収入を最大化する「就活の技法」』(どちらも日本能率協会マネジメントセンター)がある。