海外メディアもサッカーW杯拡大を続々批判「拡大は優れた傑作品を壊す」
FIFAが10日、理事会を開き2026年のワールドカップの出場チームを現行の32チームから16チームに増やして48チームに拡大することを決めたと正式発表した。欧州クラブなどが反発を示しスペインのプロリーグが提訴の方向で動くなど、世界各国に波紋を広げているが、この発表を受けて、米メディアも懸念を表す記者コラムなどを次々と掲載した。 米スポーツイラストレイテッド誌電子版は、「48への拡大はFIFAの優れた傑作品を壊してしまう」という見出しで報じた。同誌のグラント・ウォール記者は、「人生に変化はつきもので、それは悪いことばかりではない。しかし私は2017年1月10日が、FIFAがワールドカップを壊してしまった日にならないかと心配している」と懸念を示した。出場国の拡大によるメリットとデメリットを分析。 メリットについては、「もしあなたが米国かメキシコの人で、自分自身の関心だけを考えるのなら、ワールドカップの拡大によって、この両国が(本大会へに)出場できない、ということはほぼなくなるだろう」「もしも、あなたの国がワールドカップの本大会への出場を果たしたことがないのならば、これらの国々の人にとっては出場できるチャンスが大きく高まることになる」「トーナメントが拡大されるからといって、大会終了までの日程が増えることはない」の3点を挙げた。 1次リーグをこれまでの4か国のグループから3か国のグループにわけて、上位2か国が決勝トーナメントへ進出、その決勝トーナメントを16か国から32か国に拡大することで、優勝チームが7試合を戦うという、これまでの日程、試合数と変わらない日程を組んだことを評価した。 だが、一方でデメリットもあり、「1次リーグを3チームのグループに分かれる、というのはジョークではないか。半数以上のチームが勝ち上がるのは、パフォーマンスに劣ったチームに褒美が与えられるケースも出てきて問題を引き起こす」「見応えのない試合が多くなる恐れがある。一方的な展開になってしまうのではないか」「クラブチームの試合は、国際大会よりも高いレベルで行われている。出場枠の拡大は短期的にも、長期的にも、この傾向を悪化させる」という問題点を指摘。その上で、「世界最大のスポーツイベントが破壊されることが心配だ」と締めくくっている。 またCBSスポーツは、「FIFAにはよいニュースだが、ファンにはぞっとするようなニュース」との見出しでW杯拡大決定について批判的に報じた。 CBSスポーツの記事では、批判した理由を5つ挙げている。