海外メディアもサッカーW杯拡大を続々批判「拡大は優れた傑作品を壊す」
(1) 現行形式は完全である。 記事を書いたロジャー・ゴンザレス記者は「32チームより48チームの方がよいと伝えようとしても、無理矢理納得させているようにしか思えない。チーム数を増やすことは混乱をさせるだけで、大会を損なったまま、終わってしまうことになるのではないか」と述べた。 (2) 拡大した最大の理由がお金 「小さなサッカー連盟にとってはワールドカップに出場するチャンスが増えるだろうが、お金が優先されるとき、ファンは常に置き去りにされている」と、FIFAの拝金主義を批判した。 (3) 実力チームが不利益を被る 新しい形式では、一次リーグで3チーム中2チームが上位進出するため、ここではいきなり優勝候補がつぶしあいするケースが増え「グループPの勝者が、グループOの2位と戦うのか? 書いているだけでもひりひりする気分だ」と、実力チームが決勝トーナメントの1回戦で消える危険性を指摘した。実際、24チームに増えたユーロ2016では、グループリーグでは3位だったポルトガルが優勝した。どのチームにも優勝チャンスが増えるともいえるが、真の強いチームが勝てない不合理が増える危険性がある。 (4) ワールドカップを弱体化させる 「32チームでノックアウト方式をするのは、おかしい。そのうちNCAA(全米体育協会)のトーナメント方式にでも、なるのでは?」と、決勝トーナメントのスタートが32チームになることを完全トーナメント方式を採用しているNCAAの競技方式を例に出して皮肉った。 (5) 出場資格を得ることが重要でなくなる。 「こうなってくると、ワールドカップ予選でスター選手を休ませることも起こりうるのではないか。各地の予選でのチケットの売り上げにも影響するだろう」 CBSスポーツは、「FIFAのことだから、ファンよりもお金が大事なのは何も新しいことではなく、驚くべきことではないけれども」と、FIFAの金儲け主義が生んだルール改正を痛烈に批判して記事をまとめた。 正式決定されたW杯拡大の波紋は、簡単には収まりそうにない。