財政支出21.9兆円の経済対策決定、昨年超え-少数与党で強まる歳出圧力
内閣府の7月時点の試算では、25年度に8000億円の黒字に転じる見通しだった。今回の対策に伴う補正予算の執行が来年度にずれ込めば達成は危ぶまれる。さらに「年収の壁」対応は恒久的な財政赤字要因となるため、目標未達の可能性が高まりかねない。
東京大学の内山融教授は、日本銀行による金融政策の正常化が進む中で、国債金利が上昇する恐れがあることから、財政健全化の道を見据えることが一番の懸案と指摘。その上で、大型の経済対策を策定し、「年収の壁」引き上げによる所得減税を実施すると「プライマリーバランスの黒字化は遠のく」との見方を示した。
--取材協力:横山恵利香.
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Takashi Umekawa