クロアチアの「リマック」が都市交通に革命を起こす。ロボタクシー事業を2026年にスタート
既存車の改造ではなく無人運転前提の専用設計
2024年6月26日(現地時間)、ブガッティの親会社として、また超高性能フル電動スーパーカー「ネヴェーラ」で日本でも知られるクロアチアの「リマック(Rimac)」が、同社のグループ企業として「Verne(ヴェルヌ)」を立ち上げ、2026年までにクロアチアを皮切りにロボタクシー事業を開始することを正式に発表した。新事業に使用されるロボタクシーは2人乗りで、リマックの工場で生産される。 【写真】Verne(ヴェルヌ)のロボタクシーを詳しく見る SF小説の古典的名著「海底二万里」の著者ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne)にあやかった新会社の母体は、2017年にリマック・グループの一部門として設立されたProject 3 Mobilityである。リマックと同じくクロアチアのザグレブを拠点に、ロンドンにも研究開発センターに置いて、ロボタクシーおよびそれを利用した商用サービスの開発を続けてきた。ちなみにこのプロジェクトには、韓国のヒョンデおよびKIAも資本参加しているほか、直近では、インテル傘下の自動運転技術のエキスパートであるモービルアイ社と技術提携を発表していた。 発表された新型ロボタクシーは、多人数乗車のシャトル型になるという事前情報とは異なり、コンパクトな2ドアクーペスタイルで登場した。ヴェルヌ社(およびProject 3 Mobility)の調査によれば、タクシー利用者のほとんどが1名ないし2名乗車であるとのこと。ならば、細い路地にも入って行けるコンパクトサイズに収め、乗客スペースを拡大して(ヴェルヌ社は“ロールスロイスに匹敵する”と主張している)、かつ荷物の積載スペースも確保できるパッケージに行きついたという。さらに乗降性を向上するスライド式のドアを採用するなど、都市交通に特化されたスタイルが斬新だ。 他にもエクステリアで目を惹くのは、ワイパーが存在していないところ。ドライバーが同乗しない自動運転ロボタクシーなので、雨天でもワイパーを使う必要はないからだ。今回の発表では車両本体の細かなスペックはまだ明らかにされていないが、LiDARなどのセンシングディバイスが完全にボディと一体化している。