殻にヒビの入った卵は食べても大丈夫? 安全に食べるために知っておくべきこと
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
卵はスーパーでもっとも重要な定番食品の一つ。朝食メニューや焼き菓子のつなぎ、クリーミーなアイオリなど、幅広い使い方ができる。さらに卵は、その小さな体の中に多くの栄養素(一個あたり6gの完全たんぱく質)が含まれている。とはいえ卵は、かなり繊細な殻で覆われている。
卵に関して最悪なことの一つ、それは買ってきた食品を家で広げていたらパック入り卵の殻にヒビを見つけること。ヒビが入った卵のせいで起こる混乱(飛び散った卵白を掃除したくない)を想像すると嫌な気持ちになるし、卵がダメになるとお金も無駄になってしまう。卵の価格はここ数年間でかなり高騰しているし、少しでも無駄をなくしたい。
だからこそ、わずかであればヒビの入った卵を使いたいと考えるのは当然のこと。亀裂がごくわずかで、卵白が漏れていなければ、事実上無傷と一緒では? サルモネラ菌のリスクは見て見ぬふりができるくらい小さいもの? ヒビ割れた卵で作ったクレープやクッキー、キャセロールが安全に食べられると確信するために知っておくべきことを解説。
ヒビの入った卵は食べても大丈夫?
ほとんどの場合、答えはノー! いつ殻にヒビが入ったか分からない場合は、絶対に廃棄すべき。米農務省(USDA)によると、卵の殻に亀裂が入ると、中に有害な細菌が侵入する可能性があるという。もっとも一般的な細菌はサルモネラ菌で、生の鶏肉にも発生する一般的な食品由来の汚染物質。 ほとんどの場合、サルモネラ中毒では下痢、腹痛、嘔吐、発熱といった症状が現れ、最長1週間続く。いっぽうで、サルモネラ菌が深刻な健康上の問題を引き起こしたり、死に至るケースもあるという。米国では、その卵の処理方法から細菌を摂取するリスクは比較的低く、米疾病予防管理センター(CDC)はサルモネラ菌が含まれる卵は2万個あたり約1個と推定している。 とはいえ、ヒビの入った卵となると全く別の話になる。無傷の殻でなければ、サルモネラ中毒にかかる恐れははるかに高くなる。実際、1996年の研究では、ヒビの入った卵から病気になる確率は無傷の卵から病気になる確率より最大93倍も高いことが判明した。そのため、疑わしい場合は廃棄するのがベストだ。 唯一の例外は、あなたかあなたの知っている誰かが購入後にヒビを入れた場合。スーパーからの帰り道に車が道路の段差で揺れ、それまで無傷だった卵にヒビが入ったときや、キッチンで誰かがうっかりミスをした際は、具合を悪くせずに卵を使うことができる。この場合卵の中身(殻なし)を密閉容器に移せば、冷蔵庫で最長二日間保存できる。