<上海だより>中国インフルエンサー事情(上)ファン獲得のためならまず整形
しかし、稼げる網紅になれる確率は芸能人を目指すのと同じようなもので、誰もがなれるわけではありません。また、人気の網紅は日々多くの仕事を抱えており、1日に数本は企業のPRイベントなどに参加し、その情報を配信しなければなりません。また、魅力的な文章を書くための勉強や、写真の撮影テクニックの習得、など業務はたくさんありますし、そういう努力があって旬の魅力的な情報を多く配信しているからこそファンが増加し、離れないとも言えます。 日本の場合ですと、何もそこまでして確率の低い網紅を目指さなくても普通に働けばいいじゃないか、と思うかもしれませんが、日本と中国の平均収入の差や、中国の格差社会を助長している戸籍制度の問題などもあり、「安定した普通の仕事」を誰もがそう簡単には見つけられないという現状もあります。さらにこうした状況に加え、網紅の中でも特に目立った成功者がニュースなどで頻繁に取り上げられている現状や、アプリなどプラットフォームの多様化、スマートフォンの普及によってコンテンツ作成が以前より容易になっていることなど、入り口のハードルが低くなっていることも関係していると言えるでしょう。 次回では、より進化している網紅の現状と若者の心理について取り上げていきたいと思います。