日本より進んでいる?フィリピンの行政システムとIT化
(2024.3.13~5.1 50日間 総費用23万8000円〈航空券含む〉) パラワン島プエルト・プリンセサ市の中心街にある海外労働者福祉庁のオフィス
ビザ延長がたった10分で完了!!
バックパッカーとして数カ月単位で海外旅行しているとビザの延長が一仕事である。まずビザ延長可能な入国管理事務所の所在を事前確認しておく。どこの都市に外国人観光客のビザ延長手続きが可能な事務所があるかチェックして旅行日程を調整しなければならない。1日で済まず数日要する国もある。 2022年、インドネシアのバリ島ではデンパサール空港近くの不便な場所にありホステルからバイクタクシーで30分要した。さらに初日に申請手続きしてから延長ビザ取得まで数日かかった。初日には申請用紙提出⇒顔写真撮影⇒受付受領証まで朝9時半からお昼近くまで。中国、スリランカなどでは当日に許可が下りたが午前9時過ぎに申請して手続きが完了したのは午後であった。 前回2022年のフィリピン島巡り旅でマニラの入国管理事務所で手続きした時は朝9時半頃に開始して11時頃に完了した。今回も最悪半日仕事を覚悟してセブ島のショッピングモールにある事務所に10時頃到着した。 ガードマンが要件を聞いて申請用紙を手交。申請書を窓口に出して出納窓口にビザ延長料金を払ってベンチに腰掛けるとすぐに名前を呼ばれ手続き完了。ガードマンから申請用紙を受け取ってからわずか10分しか経ってなかった。ちなみに日本で外国人が同様の申請をしたらどれだけ煩雑な手続きと時間を要するのだろうか。 ドゥテルテ前大統領がIT化による行政サービス効率化を進め、2022年に就任したマルコス大統領も行政効率化を標榜している。その成果を肌身で実感した。
海外出稼ぎ労働者のワン・ストップ窓口
4月5日。パナイ島の港湾商業都市であるイロイロ市の“ロビンソンズ”ショッピングモール。ロビンソンズは華僑財閥が経営しており大型ショッピングモールを全国展開している。全国各都市の中心街の交通の便が良い一等地に位置しているので行政機関の窓口が置かれていることが多い。 冷房の効いた広大なショッピングモールを涼みがてら散歩していたら、3階にPhilippine Overseas Employment Administration(フィリピン海外雇用庁)と看板が出ていた。海外労働者のための“ワン・ストップ窓口”であるという。 なるほどパスポート申請、国民年金(Social Security System)、国民医療保険(Philhealth)などの窓口などが並んでいる。それぞれの窓口の前のソファや椅子に大勢の若者が整然と座って順番待ちしていた。 フィリピンは国民の10人に1人が海外で働いている出稼ぎ大国である。フィリピンの平均世帯人数は1世帯5人なので2世帯に1人の割合で海外に出稼ぎに出ている。そして国民総所得の10%は出稼ぎ労働者からの海外送金で占めている。それゆえ海外労働者の権利保護と福祉向上は国家的命題なのだ。