RF武道空手世界大会に空道・元世界王者の岩木秀之が出場 19年ぶり現役復帰は「格闘家の欲」
格闘空手、RF(リアルファイト)武道空手の第1回世界大会「東京国際2024 RF武道空手選手権世界大会」(12月1日、国立オリンピック記念青少年総合センター)に、総合武道・空道の元世界王者、岩木秀之(53=夢源会)が出場する。マスターズ(35歳以上の部)73キロ以下級で自身2度目の世界王座を狙う。 今大会にはスペイン、イタリアなど約10カ国の選手が参加。岩木が出場するマスターズ73キロ以下級はパンクラス参戦経験者など猛者がそろう。「格闘家として脂が乗る年代。みんな強い」。空道の関節技は寝技のみ。RFは立ったまま関節をかけられる。試合時間は空道が3分で、RFは5分。ルールの違いを克服するために、長野や東京での出稽古を行ってきた。 05年、34歳の時に空道の世界選手権中量級で優勝し、現役を退いた。19年たっての現役復帰を「格闘家としての欲」と言う。今大会は当初、20年に予定されていたがコロナ禍で中止になり、今年が第1回の開催。「4年前はひとごとだった。でも、今回はちょっと待てよと…」。RFと空道の2つで世界制覇した選手はいない。「初の2冠」。時間を経たことで、思うところが明確になった。 代表を務める総合空手道場「夢源会」には小学生を中心に40人ほどの練習生がいる。「子どもたちに汗を流してやっているところを見せられれば」と笑う。同時に「まだ戦える、という気持ちはずっとあった」。心の奥底にある牙を久しぶりにむく。【斎藤慎一郎】 ◆岩木秀之(いわき・ひでゆき)1971年(昭46)年3月21日生まれ、胎内市出身。中条中では柔道部、村上高で空手部に所属。卒業後、陸上自衛隊に入隊。除隊後、92年に総合格闘技空道の「大道塾」に入門。98年に大道塾モスクワ大会中量級で優勝。05年の空道世界選手権で優勝。14年に夢源会を設立。171センチ。