準々決勝 市和歌山「また夏に」 /和歌山
<センバツ2019> 先制された市和歌山は一回に4連打で3点を入れ、勝ち越したが、その後は追加点を奪えなかった。 【熱闘センバツ全31試合の写真特集】 一回、下井田知也選手と緒方隆之介選手の連打で得た好機に、柏山崇投手が二塁打を放ち同点に。続く米田航輝選手の2点適時打で逆転した。 四回から継投した岩本真之介投手は粘り強く投げたものの、ボール球が先行してリズムが乱れ、失点を重ねた。打線は二回以降、相手エースにタイミングが合わず、岩本投手を援護できなかった。 ◇先発、初安打 自信につなげ 市和歌山・柏山崇(しゅう)投手(3年) 1、2回戦ともに無安打の4番打者だったが、「練習時の感触は悪くない。あとは本番でチームに貢献できれば」と冷静に準々決勝に挑んだ。「バットは短めに持て」とミートを意識するよう半田真一監督から助言され、一回1死一、二塁のチャンスで初打席を迎えた。下手投げの変則投手の甘く入った変化球を大振りせずに右中間へ弾き返すと、同点の適時二塁打に。甲子園初安打に「ほっとした」と胸をなで下ろした。 実家は田辺市だが、「野球をするならレベルの高い学校で」と考えて市和歌山に進学した。和歌山市内に勤める父淳さん(47)と共に実家を離れ、学校近くのアパートで2人暮らしを送る。淳さんは日々の弁当作りなど家事をこなし、帰宅後にマッサージを施してサポート。野球に集中できる環境を整えてもらい、父への感謝を胸に甲子園に臨んだ。 この日は投手としても先発し、3回1失点でエースにマウンドを託した。同じく登板した2回戦に続き、まずまずの成績だったが、投球時に上半身と下半身の動きがずれるなど「課題を修正し切れなかった」と振り返る。 投打ともに本来の力を出し切れず、悔しさが残る。それでも「投手として全国レベルのチームを抑えることができた経験は自信につながる。夏はエース番号を背負う」と前を向き、「父には『夏もよろしく』と伝えたい」とはにかんだ。【後藤奈緒】 ◇吹奏楽部に40人の助っ人 ○…市和歌山のアルプススタンドでは、同校吹奏楽部顧問の岩田奈穂教諭(25)の母校にあたる、県立星林高の吹奏楽部員約40人が応援に駆けつけた=写真。部員が15人ほどの市和歌山から要請を受け、友情応援をすることに。この日は午後から福井県の演奏会に行く予定がある中、甲子園に立ち寄った。大音量の吹奏楽で有名な習志野の応援に、トランペット担当の溝上葉月さん(3年)は「負けないように演奏したい」と闘志を燃やした。沢崎鈴さん(2年)は「選手たちが乗って、実力を発揮できる演奏をしたい」と話し、最後まで懸命にアルトサックスを吹いた。 ……………………………………………………………………………………………………… ▽準々決勝 習志野 100011100=4 300000000=3 市和歌山