イーサL2「Starknet」、STRK保有者向け初のガバナンス投票開始へ
Starknetが最初のガバナンス投票を開始へ
イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション「スタークネット(Starknet)」で、「STRK」トークン保有者に向けた最初のガバナンス投票が9月9日に開始される。 今回行われる投票は、8月19日に提出されたSTRKのステーキングを可能にするガバナンス提案「Upcoming Staking vote」についてであり、可決されればスタークネット上で「STRK」トークンのステーキングが可能になる。 このガバナンス提案は、今年7月に提出されたスタークネットの開発提案である「SNIP 18」を元にしたものだ。「SNIP 18」ではステーキングによってミントされるトークンの発行メカニズムや報酬分配のパラメータなどが定義されている。ガバナンス提案が承認された場合は、この提案の定義に従って今年10月にステーキングサービスが開始される。 なお初期段階では、スタークネット開発元のスタークウェア(StarkWare)とスタークネット運営元のスタークネット財団(Starknet Foundation)はステーキングに参加せず、ステーキング報酬を受け取る資格はないという。またロックされたトークンはすべて、現時点ではステーキングに参加できないとのことだ。 ガバナンス投票は、9月2日から4日の3日間でテスト投票が実施されたのち、9月9日から13日の5日間で行われる。それまでは提案についてコミュニティでの議論や、テストネットでのステーキングのテストなどが実施される。 なお投票権については保有するSTRKトークンに応じて得られるが、その投票権を自身ではなく他のユーザーにデリゲート(委任)することも可能だ。 「スタークネット」は現在分散化とエコシステムの拡大を進めており、7月24日にはコスモス(Cosmos)ネットワークのIBC(ブロックチェーン間通信プロトコル)を統合すると発表した。これにより「スタークネット」は、コスモスエコシステム内および外部のIBC対応チェーンとの相互運用が可能となり、ブロックチェーン間のデータと資産の転送が容易になるとのことだ。 スタークネットは、zkRollup(zkロールアップ)を活用した、イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション。暗号証明技術「zkスターク(zk-STARKs)」を開発したスタークウェア(StarkWare)によって開発され、現在ではスタークネット財団(Starknet Foundation)によって運営されている。 なおzkRollupとは、暗号技術を利用した証明技術「ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)」活用のロールアップのこと。ロールアップは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。
田村聖次(幻冬舎 あたらしい経済)