「スタッドレスタイヤだから大丈夫!」→チェーンをつけずに雪道に繰り出した人の末路
● タイヤチェーンは、大きく3つのタイプがある タイヤチェーンは、現在はさまざまな種類が市販されています。大きく分けると、金属タイプ、非金属(ウレタンやゴム)タイプ、(アラミドなどの)布製カバータイプの3つになります。 (1)金属タイプ 昔からある金属タイプには、亀甲型やハシゴ型などがあります。金属製なので重く、装着するのに苦労することもありますが、他のタイプと比べて安価でグリップが強く、アイスバーン路面でもしっかりとした駆動力を得ることができます。また収納した際にコンパクトになるのもメリットです。 昨今はジャッキアップが不要かつ、短時間で装着できる構造の金属チェーンも登場しており、金属チェーンに再び注目が集まっています。一方で走行時の振動や騒音が大きい点や、サビが発生しやすいなどのデメリットもあります。 (2)非金属(ウレタン、ゴム)タイプ 現在の主流は、非金属のウレタンやゴムでできたチェーンです。タイヤをネットで包み込むように巻く構造で、ブロックごとに分離しているタイプもあり、取り付けもワンタッチのものからジャッキアップをするタイプのものなど、種類が豊富にあります。本体がウレタンやゴムでできているため、取り付け時にボディやホイールに当たっても傷がつきにくいのはメリットです。他にも走行時に低振動かつ低騒音であることや、金属チェーンよりも制限速度が高い点などもメリット。ただ、高価なものが多く、収納ケースが大きくて収納性もよくありません。
(3)布製カバータイプ 近年増えてきているのが、布製カバータイプです。タイヤソックスやスノーソックスと呼ばれており、BMWなど一部の自動車メーカーで純正オプションとして販売されています。特殊な繊維が、タイヤと路面間の水膜を吸収することでグリップ力を高め、スタッドレスタイヤと同じような働きをしてくれます。 ただし湿気を含みやすく、駐車時間が30分を超えるような場合には凍結するリスクがあるため、その場合には外す必要があります。また使用後はしっかりと乾燥させることもポイントです。メリットは、軽量かつコンパクトで着脱が簡単なことや乗り心地が快適なことですが、乾燥した路面の走行では耐久性が低いことや、推奨車速が低い(乗用車は時速50km以下など)ことはデメリットといえます。 チェーン規制ではチェーンの種類までは規定されてはいませんが、道路運送車両の保安基準(走行装置等)第9条第4項では、「タイヤ・チェーン等は走行装置に確実に取り付けることができ、かつ、安全な運行を確保することができるものでなければならない。」とされています。JAFでは「布製カバータイプの場合は、チェーン規制に対応できない可能性がある」としており、注意が必要です。 また、スプレーで薬剤をタイヤへ吹き付けるタイプのものは、チェーン規制中に通ることはできません※。こちらも併せて注意してください。 ※参照:チェーン規制のチェーンはどんなチェーンでも良いの?