豪華客船「ディズニークルーズ」はどこがつくるの?気になる船の概要とは
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(OLC)は9日、日本を拠点とするディズニークルーズを展開すると発表した。同日、米ディズニー・エンタプライゼズ社(ディズニー社)とライセンス契約を締結した。OLCによると同契約に基づき、独マイヤーベルフトで約14万総トンの新造船を2025年から建造し、28年度中に就航予定だ。具体的な運航企業は未定で、今後調整するとしている。事業開始による総投資額は建造費用を中心に約3300億円を見込む。
新造船の概要は総客室数約1250室、乗客定員約4000人、乗組員数約1500人。日本船籍で、首都圏の港を発着する2―4泊程度の短期航路を中心に運航し、販売価格帯は10万―30万円を想定している。船内で豊富なショーや体験型イベントもあるため、寄港地での観光などを必ずしも伴わないなど、従来型商品とは違ったクルーズ商品となる可能性もある。また、OLCでは近隣諸国への寄港も含めた外航クルーズも視野に入れているという。
日本船籍のクルーズ船としては、「飛鳥II」(5万444総トン)、現在建造中の「飛鳥III」(5万1950総トン)を大きく上回る最大船型となり、事業化に向けては、運航船社・船舶管理会社選定、船員・メンテナンス拠点確保、発着港選定などが課題となる。
OLCが発注した14万総トン級に近い船型の「Disney Wish」(14万4000総トン、マイヤーベルフト建造)は、喫水8・3メートル。東京港、横浜港には既に16万トン級客船「MSC Bellissima」(喫水8・75メートル)など、「Disney Wish」より大型の船舶の寄港実績があり、首都圏港湾を起点としたクルーズに支障はない。
一方、新造船は「Disney Wish」と同じLNG(液化天然ガス)燃料船となるとみられ、日本国内の船籍港・発着港選定においては燃料供給体制も重要になりそうだ。