日本のお母さんは忙しい 家事も育児も1人で悩まないで 「産後ドゥーラ」として女性支える42歳の元保育士
長野県の42歳、地域に少ない「産後ドゥーラ」として活動
長野県豊丘村神稲の下沢朝美さん(42)が、産後の母親の家事や育児をサポートする「産後ドゥーラ」として活動している。周囲に頼れる人がいない母親たちに、料理や洗濯など家事の代行、赤ちゃんの世話といった幅広い支援の手を差し伸べる。南信では産後ドゥーラはまだ少なく、下沢さん自身も2児の母としての経験を生かしながら「お母さんを大切にする」ことをモットーに活動を続けている。 【写真】「産後ドゥーラ」になるためのもく浴の講習
保育士から転身
喬木村出身で高校卒業後に愛知県内の短大に進学。卒業後、村内に戻り保育士になった。その後、エステサロンで仕事をしていた際に知人から産後ドゥーラの存在を聞いた。保育士時代に育児に悩む母親の姿を見て「力になりたい」と思ったことを思い返し、ドゥーラ協会(東京)の講座を受講。試験に合格し、同協会の認定を受けて2018年から活動を始めた。
料理を作ったり、赤ちゃんの世話をしたり…
産後ドゥーラは、依頼してきた母親の希望に合わせ、時間に応じて複数の料理を作ったり、掃除や赤ちゃんのもく浴などを担ったりする。料金は1時間2500円で、延長30分ごとに1250円。
料理は得意でなかったけれど
依頼内容の9割は料理。もともと得意ではなかったが、インスタグラムで紹介されているレシピから学び、少しずつ料理の種類を増やした。利用者が用意した食材で調理を頼まれることが多く、肉じゃがなど家族みんなで食べやすい献立を考える。食事を用意しながら母親の様子を観察し、声をかけて悩みを聞くこともある。
心がける利用者目線
下沢さん自身も18年に第1子、23年に第2子を出産。産休を挟みながら活動を続けた。第2子を出産した際は自らも家事代行を使い、利用者目線で原点に立ち返った。
飯田市は22年から産後支援事業として、3カ月未満の乳児を育てる母親に千円の助成券を10枚配布しており、下沢さんのサービスも対象に。高森町、豊丘村でも同様に支援の対象となり、少しずつ産後ドゥーラへの依頼が増えてきた。授乳の悩みや精神面のサポートなど地域の保健師や助産師と連携し、必要に応じて専門家につなぐこともある。