低予算? 円安&物価高? 厳しい条件の中でも「海外旅ロケ番組」がちゃんと放送されているワケ
制作費は大丈夫なの? 意外と多い「海外ロケ」番組
今も多くの旅番組・ロケ番組が民放地上波で放送されている。コロナ禍もすっかり過去の話のようになり、海外との行き来もスムーズになったいっぽうで、民放の番組制作費は今なお潤沢なものではないという話はよく聞くし、現在も続く円安傾向。そして国によっては仰天するほどの物価の高さもよく聞く。 【キュート!】佐藤栞里 人気立ち食いうどん店で「腹ごしらえ中」の存在感 そのような状況でありながら、海外ロケ番組が意外と多いところに少し驚くこともある。 たとえば『世界の果てまでイッテQ!』といった人気番組はスポンサーが強そうだなということは推察できるし、『世界ふしぎ発見!』など一社提供の番組も、まぁわかる。そのいっぽうで、深夜だったり、週末の昼下がりのような時間帯の、ぶっちゃけ放映料もそれほど高くなさそうな番組でも海外ロケ番組、旅番組って意外と放送されている気がする。 なぜなのか? どうやって工面できているのか? 人気バラエティや情報番組などを手がけるある放送作家に聞いてみた。 テレビ界全体的には、基本的にはテレビ番組の制作予算そのものは少ないという。その前提のもとで、海外ロケ番組は、スポンサー料が潤沢な一部の番組をのぞくと、 「タイアップで予算を浮かすことが結構あります」 と、その秘密を明かす。 ◆タイアップと現地スタッフの駆使がカギ 前出の放送作家が言うには、海外ロケのタイアップは、 ・現地観光局などとのタイアップ ・航空会社や現地施設とのタイアップ の大きく分けてこの2つ(時には組み合わせも)。タイアップ先が求める「絵」を流したり、情報を紹介することで、ロケの予算を削減できるという仕組みだ。 「民放に関しては、いかにしてコストをかけないかというところは、海外ロケに限りませんが、前提としてありますね。渡航費用を全部出すとなると、なかなか厳しいものがあると思います」(前出放送作家・以下同) コストダウンについては、人件費の節減も大きなポイントだ。 「航空券やホテル代、それらをカットするために、日本からのスタッフをできるだけ少なくして、現地スタッフを雇ったりすることでコストカットをはかる場合も多いです。ディレクターと出演者本人、あとは現地スタッフでというケースもあります」 予算面でいえば、たとえば週末の昼下がりに放送される単発番組などの中には、意外に予算が投入された番組が存在するケースもあるという。