尹大統領は事実上の「内乱首謀者」 検察の捜査間近か
【ソウル聯合ニュース】韓国捜査機関が「非常戒厳」を宣言した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対して捜査の手を伸ばす中、尹大統領が刑法上の内乱罪の「首魁(しゅかい)」として取り調べを受ける公算が大きくなったことが、10日分かった。 法曹関係者によると、検察の非常戒厳特別捜査本部は前日に金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官の逮捕状を請求した際、「尹大統領と共謀して国憲を乱す目的で暴動を起こした」ことを理由に挙げ、「内乱重要任務従事者」容疑を適用した。 刑法では、内乱罪を犯した者を▼首謀者▼謀議に参加または指揮し、その他の重要な任務に従事した者▼付和随行するか単純に暴動にのみ関与した者――に区分して処罰する。 戒厳司令部の布告令を自ら作成したとされ、軍指揮官に兵力投入を指示した金氏が首謀者ではなく従事者となっていることから、検察は事実上尹大統領を「黒幕」と見なしたのではないかとの見方が出ている。 検察は、尹大統領が金氏らに命じて内乱を起こす目的で違憲・違法な非常戒厳を宣言したと判断し、容疑を検討しているもようだ。 尹大統領が「国家非常事態」の要件に該当しないにもかかわらず戒厳宣言を強行した点や、国会への通告などの手順を守らなかった点、憲法上では戒厳により制限できない国会の権限を制限するために布告令の発表を指示した点などが主な容疑とされる。 また、戒厳を準備する目的で国軍防諜司令部などに違法な文書作成を指示したかどうかも検討される見通しだ。 戒厳の宣言後に国会に戒厳軍を投入し、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表や与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表を逮捕するよう指示したことが疑惑の核心として検討されるとみられる。 当時、作戦を指揮した郭種根(クァク・ジョングン)陸軍特殊戦司令官、李鎮雨(イ・ジヌ)首都防衛司令官、呂寅兄(ヨ・インヒョン)防諜司令官は、メディアのインタビューに対し尹大統領から直接状況を確認する電話を受けたと証言した。 ホン・ジャンウォン前国家情報院(国情院)第1次長も、尹大統領から「全員捕まえて整理せよ。国情院にも対共捜査権を与えるので、まず防諜司令部を支援せよ」と指示を受け、呂氏からは逮捕対象として禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長、韓東勲氏、李在明氏の名前が出たと主張した。 検察は連日関係者を出頭させて取り調べを行い、金氏と尹大統領の関与について調べている。基本的な捜査が終われば、尹大統領に対する本格的な捜査に突入する見通しだ。 刑法第87条は、内乱罪について「首謀者は死刑、無期懲役、または無期禁固に処する」と定めているが、裁判で減刑事由があると認められれば10年以上50年以下の有期刑に処される。 1979年の軍事クーデターを主導し、反乱首魁などの罪に問われた全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領と盧泰愚(ノ・テウ)元大統領は、97年に大法院(最高裁)で無期懲役と懲役17年を言い渡された。
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