「子どもができたら結婚すべき」vs「そんなの息が詰まる」、韓国人気俳優の“婚外子”スキャンダルが世論を二分した深いワケ
● 「難民の受け入れを唱えた者が、 自分の子どもは受け入れられないのか」 さらに注目すべきは、パク・クネ元大統領の「国政介入事件」の中心人物であったチェ・スンシルの娘、チョン・ユラ氏がSNS上でチョン・ウソンについて言及したことだ。彼が過去にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善・広報大使の活動を通じて「難民保護、受け入れ」の重要性を述べたことに触れ、「難民の受け入れを唱えた者が、自分の子どもは受け入れないとは何事か」と痛烈に皮肉ったのである。チョン・ユラ氏もまた「国政介入事件」の際に国民から激しい憎悪と非難を向けられていたが、チョン・ウソンは当時、この事件に対する発言を公の場で度々行い、パク氏やチェ・スンシル、チョン・ユラ氏を批判していた。こうした過去の因縁が、今回のチョン・ユラ氏の発言にもつながったといえる。 チョン・ウソンの韓国での俳優としての特異な立場を見れば、この騒動に政界や法曹界までもが注目し、論争に発展しているという事態もうなずける。先の米国の大統領選挙で、多くの歌手や俳優達が民主党のカマラ・ハリス氏の支持を表明していたように、政界とエンターテイメント界は特に左派(リベラル)とのつながりが密接な印象を受け、韓国もその例外ではないことが浮き彫りになっている。 いずれにせよ、今回の騒動でチョン・ウソンのイメージが大きく失墜したことは否めず、当分は彼の芸能活動も厳しい状況が続くと予想される。今後、俳優としてどのような方向転換を図っていくのか注目が集まるところだが、何より重要なのは、生まれた子どもが健やかに成長し、平穏な生活を送れることではないだろうか。
田中美蘭