精神疾患は予防と早期治療が大切な理由をご存じですか? 心の不調のサインも解説
精神疾患は治りが悪いと言われることがあります。そのためにも、心の不調にいち早く気づき、治療の必要があれば速やかに開始することが大切。 でもどのようなサインに注意すれば良いのでしょうか? 梅屋敷森田クリニックの森田先生に、「注意したい心のサイン」についてMedical DOC編集部が聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
*精神疾患とはどんな病気? うつ病・統合失調症・心身症とは違う? 早期発見・治療が重要な理由とは? 編集部: 精神疾患とはどんな病気のことを言うのですか? 森田先生: 精神疾患とは心身にさまざまな影響をもたらす疾患のことをいいます。 精神疾患を招く要因は主に、「心因(ショックなことがあった、失恋した、などの心理的な要因)」「生物学的要因(脳内の神経伝達物質などの体質的な要因)」「社会的要因(会社、部活などの環境的な要因)」の3つに分類されます。 編集部: 代表的な病気には、どのようなものがありますか? 森田先生: 統合失調症や気分障害、てんかん、アルコール依存症などがあります。それから最近注目を集めているADHDや発達障害も、精神疾患の一種です。 編集部: よく耳にするうつ病も精神疾患ですか? 森田先生: はい。うつ病は「気分障害」のひとつです。気分障害とは気分の波が症状として現れる疾患で、うつ状態のみが認められるものをうつ病、うつ状態と躁状態を繰り返すものを双極性障害と言います。 編集部: 心身症という言葉を聞くこともありますが、これは精神疾患とは異なるのですか? 森田先生: はい。精神疾患は心の病気ですが、心身症は心の病気ではなく体の病気です。ストレスで発症したり、悪化したりする胃潰瘍、喘息などのような身体疾患を指します。 編集部: 精神疾患は早期発見が大事と言われますが、それはなぜですか? 森田先生: 精神疾患だけに限らないことですが、病気はできるだけ早く症状に気づき、速やかに治療を開始すればするほど、回復が早いことが知られています。 たとえば、統合失調症の発病から治療開始までの平均期間は約1年とされていますが、発症から5年以内の治療開始が効果的と言われています。