モリゾウさんが[メディア]を信じるワケ 公聴会が産んだ[ビジネスモデル]の原点って?
「今の日本は頑張ろうという気になれない」というメディアに向けたモリゾウさんの発言が意図を持って切り取られ、報道された。影響力の大きさからとはいえ、モリゾウさんにとってはフラストレーションがたまることばかりだったはず。そこで、「モリゾウさんはメディアをどう見ているのか?」を解説していこう。 【画像ギャラリー】モリゾウさん自ら試乗したクルマ渾身のGRカローラモリゾウエディションを是非(13枚) ※本稿は2024年8月のものです 文、写真:ベストカー編集部 初出:『ベストカー』2024年9月26日号
■メディアに対していつも本音をさらけ出す
ベストカーもメディアであり、大上段でそんな話ができるのか?という意見はあるだろう。 しかし、モリゾウさんを取材してきたベストカーとして言うべきこともある。特にこの連載を読んでいただいている読者の皆様には、SNSで悪意を持ってモリゾウさんが取り上げられることを疑問に思うこともあると思う。そこで今回は「モリゾウさんとメディアの関係」を掘り下げようと思う。 まずモリゾウさんは「会社名とトップの名前と顔が結びつく数少ない人」と自分のことを語っている。トヨタ自動車といえばモリゾウさんの顔が浮かぶという人は多いだろう。 つまり、メディアが取り上げやすいことをしっかりと理解している。そのうえで、モリゾウさんはこれまでも我々自動車メディアだけではなく、経済メディアに対しても、いつも堂々とホンネで話す。 なぜ、そこまでするのか?モリゾウさんは人生と重ねながら、こう言っている。 「私は常に『創業家』という色眼鏡で見られてきた。何をやっても、『苦労知らずのボンボンにはできないでしょ』と言われてきた。だから、いい所も悪い所も全部さらけ出してでも、素の自分を見てほしい、本当のことを伝えてほしいという気持ちが強くなったのだと思う」。 モリゾウさんは、メディアの前でも自分を飾ろうとしない。むしろ、伝播力のあるメディアだからこそ、素の自分を見せ、本音を語ろうとする。 さらにモリゾウさんは「メディアは国民の教科書」と話す。いいことも悪いことも事実が伝えられることで、国民が教えられ、勉強になるという想いがある。