北海道大とJAL、定期航空便で赤潮モニタリング開始へ 世界初
北海道大と日本航空(JAL)は12日、2025年夏から定期航空便1機に機外カメラを搭載し、航空機を活用した赤潮のモニタリングを開始すると発表した。定期航空便にカメラを搭載し継続的な海洋観測に活用するのは世界初だといい、赤潮の早期発見により漁業被害などの拡大抑制を目指す。 【干ばつ・洪水・猛暑…今、地球で起きていること】 活用されるのは丘珠空港(札幌)や函館、利尻、奥尻の各空港を結ぶ便で、1日に8~10本運航されている。カメラは機体後方下部の胴体パネル上に3台搭載され、上空から函館湾などを撮影。画像を北海道大に転送し、最新技術を駆使して分析する。 これまで、採水のほかドローンや人工衛星を活用し赤潮のモニタリングを行ってきたが、地球温暖化による発生海域の変化などに対応できる新たな手法が求められていた。 北海道大大学院水産科学研究院の笠井亮秀教授(海洋環境学)は「赤潮の被害を抑えたい一心で研究に取り組んできた。航空機の活用で被害をさらに抑制できるよう研究を重ねたい」と述べた。 道内では21年秋、道東の太平洋沿岸で大規模な赤潮が発生し、漁業被害総額が90億円以上に上る大きな被害が出ている。【金将来】