劇的に仕事を効率化した教員の「ChatGPT」活用術 授業計画から問題作成、校務と幅広く使える
Excel作業や授業準備を「劇的に効率化するコツ」2選!
さて、プロンプトの書き方や注意点を確認したところで、もう少し具体的に、私がどのようにChatGPTを活用しているのか、活用例を2つ紹介したいと思います。実際に私が使用したプロンプトも全文掲載しているので、ぜひコピペしてお試しください。 【活用例(1)】Excel作業を効率化 私は、繰り返しのあるExcel作業はChatGPTにマクロのコードを書いてもらって効率化しています。次の動画では、「教師用時間割」から「クラス用時間割」の作成を、ChatGPTが書いたコードで自動化しています。 これまでは、手作業で教師用の時間割から、クラスごとに1つひとつ授業を探して表を埋めて、最後には読み合わせをして……というふうに進めていました。そんなかなり骨の折れる作業が、マクロを使えば一瞬で終わらせることができます。 今回使用したプロンプトは、次のとおりです。正直、自分が見返しても、とても読みづらいプロンプトですが、「どう操作してほしいのか」をできるだけ詳しく順番に説明することで、ChatGPTはしっかりと理解し、コードへ直してくれます。 【マクロ作成のプロンプト】 エクセルのマクロを書いてほしい。 1:ダイアログで、「時間割のデータが入っている範囲」を指定できるようにする。 例えば、B4からAF61までデータがあればその範囲を指定できるようにする。 2:ダイアログで、「時間割を作成するクラス」を指定できるようにする。 デフォルトで11, 12, 13, 21, 22, 23, 31, 32, 33を入れておく。 3:「実行」を押すと4以下の動作がスタート。 「キャンセル」を押すとダイアログを閉じる。 4:「クラス別時間割」というシートを新しく作成する。 もし、このシートがすでにあれば、数字を追加して別の新しいシートを作成する。 5:ここからは元のシートに戻り、「時間割を作成するクラス」を一つ一つ処理していく。 「時間割を作成するクラス」の1つ目の値を検索する文字列とする。 「時間割のデータが入っている範囲」で左から1列ずつ検索をする。 そして、検索結果の1つ下のセルをコピーする。 これを「クラス別時間割」のシートにペーストしていく。 6:検索範囲の「時間割のデータが入っている範囲」の列が変われば、ペーストする列も1つ右へずらす。 検索対象の「時間割を作成するクラス」が変われば、ペーストする行を1つ下へ行を変える。 7:「時間割を作成するクラス」の最後までこの作業を繰り返す。 時間割は1年間で何度も改定したり、行事に合わせて特別な時間割を組んだりすることが多々ありますが、ChatGPTに一度マクロを書いてもらうだけで、年間で数時間は仕事時間を短縮することができます。 【活用例(2)】Kahoot!の問題作成を効率化 私は英語科の教員ということもあり、語彙力強化のために学習用のクイズアプリ「Kahoot!」をよく使用します。基本的に無料で使用でき、児童生徒はアカウントを作成することなくゲームに参加することができるので、小学校から高校まで幅広い校種で使用されています。 授業でKahoot!を使用する際、教師は4択でクイズの問題を用意する必要があります。4択ということは正解の選択肢以外にも、誤答の選択肢を3つも作る必要があり、この準備を少し手間に感じていました。 しかしChatGPTを活用すれば、Kahoot!の問題作成も効率化することができます。私は次のプロンプトを使用して、効率化しています。 【Kahoot!の問題作成プロンプト】 # 命令書: あなたは優秀な英語教師です。 次の制約条件をもとに、入力文の語彙の確認テストを作成してください。 # 制約条件: ・4択で作成すること ・Questionは英語で単語や句を1つずつ入れる ・決して文全体を入れないこと ・時制により動詞の形が変化している場合は、原形に戻すこと ・固有名詞以外、文頭は小文字にすること ・Answer1-4は日本語 ・Time limitはすべて「60」 ・Correct answerには正しい選択肢の番号のみを入れる # 出力: |Question|Answer 1|Answer 2|Answer 3|Answer 4|Time limit|Correct answer| # 入力文: [ここに教科書の本文などを入れる] このプロンプトのポイントは「#出力:」で出力の形式を指定しているところです。また、「|Question|Answer|…」と書くことで、ChatGPTは以下のように表の形で出力してくれます。 このとおり、プロンプトとともに基となる文章を送るだけで、正解と誤答を混ぜて問題を作ってくれるのが、さすがChatGPTです。もちろん、問題としてイマイチなものも出力されるので、よいものだけを選ぶという使い方がおすすめです。 さらにKahoot!には、テンプレート(Excelファイル)から問題を作成する機能があります。上のプロンプトで作成した表は、このテンプレートに準拠しているので、出力結果を貼り付けるだけで、すぐにKahoot!の問題として取り込むことができます。 これまで問題を作る時間がなくKahoot!の活用を諦めていた先生も、ChatGPTを使えば問題作成にかかる時間はかなり短縮されるので、一度試してみる価値はあると思います。私自身、ChatGPTがなければ準備の負担感からあまり活用できていなかったと思うので、本当に助かっています。