<ソチ五輪>フィギュア男女メダルは計3つ?
今川さんは、「映像を通してのキム・ヨナの調子を見る限り、バンクーバー五輪のあった09-10年シーズンのような完成度にはほど遠い」と言う。 ■完成度の高くないキム・ヨナ 「まだ怪我の影響なのかスピードと勢いがありません。ほとんど試合にも出ていませんから、スタミナ面においてもフリーで、どこまで体力が持つのかという不安も残っています。浅田選手は、これまでキム・ヨナと差をつけられていた芸術性の部分も意識して磨かれてきていますし、世界では浅田選手にしかできない超高難度のステップシークエンスを持っているので、総合的に見ると差は縮まるどころか、互角かそれ以上でしょう。ただ、これは、男子の金メダル候補のパトリック・チャンにも言えることですが、キム・ヨナにはスケーティングの一歩が美しく長く伸びる《滑りの上手さ》というものが違いますし、観客やジャッジを惹きつける内面から出る表現力、アピール力というものがあります。約1か月半の間で、かなりの量のトレーニングを積んで仕上げてくるでしょうから、強敵であることは確かでしょう」 表彰台独占を狙っている日本勢にとって難易度の高い3回転ジャンプのコンビネーションを跳べる全米選手権2連覇のアシュリーや、ステップシークエンスやスパイラルなどで安定した得点を稼ぐ26歳のベテラン、コストナーの存在も怖い。 ■地元ロシア勢の追い上げの可能性も 「コストナーは、今季は不調ですが、元々スロースターですからシーズン後半にある五輪のタイミングにピークを合わせてくるかもしれません。また地元開催のロシアから若手が急激に伸びて勢いでメダルを獲得する可能性もあります」 ロシアは、まだ代表が決まっていないが、身体能力の高い若手の層が厚く、ロシアの国民的スターで、先日のロシア選手権を制したアデリナ・ソトニコワだけでなく、GPファイナルで3位入った15歳の新星、ユリア・リプニツカヤなど未知の若手がポンと出現する可能性もあって侮れないチームだ。