「母親にも母親の人生がある」――女優でYouTuberで母、仲里依紗が「型にハマらない」理由
温和な日々だけが続くわけではない。長男を叱り、お互いに引きずっていたことがあった。数日経つと、学校から帰ってきた息子がそっとテストの紙を渡しながら、ボソッと〈せっかくママのために100点取ったんだけどな。だから仲直りしようよ〉とつぶやいた。 「キュンとしましたね。子育ては、あんまり考え過ぎないでやってます。母親も子供も、人と比べないことが大事かなって。育児の本も読まないです。最低限、食べちゃいけないものとかを把握するくらい。あと、お互いに楽しいほうがいい。母親にも母親の人生がある。子供の好きなアニメ映画を見終わったら、私の行きたい洋服屋に付き合ってもらうようにしてます。だからなのか、『こんな静かな子は初めて見ました』とよく言われます。我慢のできる子に育っているのかな」
かつて、〈ずっとネバーランドにいたい〉〈大人になりたくない〉(「週刊文春」2011年11月10日号)と発言していた仲も31歳を迎えた。誰しも加齢は避けられない。 「人生はソフトクリームだと思います。子供の頃は1年が長く感じるけど、大人になると時間がどんどん短くなる。でも、透明な気持ちでいれば、いろんなものを吸収できるし、どんな状況にも対応できる。コロナによって世の中がこんなに変わっちゃったけど、これからも自分が楽しく感じることをやり続けて、周りの人やファンの人も楽しんでくれたらいいなって」 仲里依紗は現状を受け止めながら、自分の道を模索し、感情を素直に発する。嫌な出来事があれば愚痴り、嬉しい瞬間があれば歓喜する。決して己を誇示せず、卑下もしない。女優の檻に入ることなく、繕わずに日々を生きる。ただ、あるがままに――。
(衣装協力:dix、PERMINUTE、Lemme.、lost in echo)