「母親にも母親の人生がある」――女優でYouTuberで母、仲里依紗が「型にハマらない」理由
「普段から、かわいらしい洋服じゃなくて原色系ばかり着ていたし、好きなものを好きと言い続けていました。そしたら、マネージャーさんもあきらめモードになった。変化球タイプだと気づいてくれて、本当に助かりました」 20歳の時、映画『ゼブラーマン ―ゼブラシティの逆襲―』(2010年)にヒロインとして出演。ボンデージ衣装で〈なぶり殺しにしてやるわ!〉と叫ぶ極悪悩殺キャラを演じ、吹っ切れた。3年後には、俳優・中尾明慶と結婚。自分にない性格を持つ彼の存在は、“お女優”ではない生き方をさらに後押しした。 「私はすごく人見知りをしてしまうタイプ。でも、旦那さんは誰とでもすぐ打ち解けられるし、引っ張ってくれる。それに、派手な服を着ても、何も言わない。むしろ、普通の格好をしたら『今日何か違うな。……モテようとしてるんじゃないか、この女』って思われそう。結婚してから、より自分を出せるようになりました」
2020年11月22日には、ある調査で“理想の芸能人夫婦”1位に選ばれた。だが、彼女は世間の評価を冷静に捉えている。 「ウケる! って感じでした。もっといますよ、いい夫婦。旦那さんとは『毎日、けんかしているのにね』と話しました。いつも些細なことで言い合ってます。洗面所にあるマウスウォッシュのキャップを半分ぐらい開けておくんです、旦那さんが。しかも、タオルやドライヤーのあるほうに置くから、倒れて液が漏れるんですよ。トイレやお風呂の換気扇も付けないし。子供が学校の先生に『昨日、ウチのお父さんとお母さんがまたけんかしてた』と告げ口していたくらいです(笑)」
「母親にも母親の人生がある」
女優、1児の母、YouTuberと三足のわらじを履く仲は毎朝5時に起床し、小学生の長男の弁当をこしらえる。6時半に学校へ送り出した後、家の掃除や洗濯を済ませ、8時15分から1時間ほどヨガのレッスンを受ける。その足で、皮膚科やクリニックでメンテナンスをしたり、ジムに赴いたりして、自分の体と向き合う。 「夕方になると、白目むいてますもん、眠くて。朝起きた時には絶対、今日はもう一度寝ようと決めます。でも、お弁当を作っていると、『ああ、ヨガ行きたい』と思っちゃう」 日が沈む前に自転車を漕いで、スーパーに寄って食材を買い込み、駅前に子供を迎えに行く。夕暮れ過ぎ、家に到着すると夕食の準備に取り掛かる。食事を終えれば、食器を洗い、洗濯物を畳み、明日の弁当の準備をする。全ての家事を終えてようやく、YouTubeの編集をしたり、ドラマの台本を覚えたりする。 「夜は、いつも何時に寝たかわからない。気絶したように横たわります。でも、世の中のお母さんはみんな、忙しいですよね。家事も編集もだるいなあと思うこともあるけど、仕事も子育てもYouTubeも全部好きだし、本当に楽しい」