紅葉の名所の世界遺産!京都・嵐山、嚴島神社の宮島、白川郷…実は人がつくった日本の秋の絶景
日本の世界遺産には、紅葉の名所がいろいろとあります。番組「世界遺産」でも度々撮影してきたのですが、特にドローンで上空から撮ると、緑の森の中に黄色、オレンジ、緋色と暖色系の木々が点々と入り交じり、印象派の絵画のような美しさです。 【写真を見る】紅葉の名所の世界遺産!京都・嵐山、嚴島神社の宮島、白川郷…実は人がつくった日本の秋の絶景 ■人がつくった絶景 京の名庭園 特に印象深かったのが、京都の世界遺産「天龍寺」。ここの曹源池庭園(そうげんちていえん)は日本を代表する庭園のひとつです。 紅葉のシーズンに庭に面した方丈から眺めると、色づいた木々が池の水面にも映り、庭園の背後にはやはり色づいた嵐山が借景として広がる…番組がこれまで撮影した紅葉の中でも特に美しいシーンです。 一見、自然の森のように見える嵐山の森にも、実は人の手が入っています。曹源池庭園が作られたのと同じ約700年前から、カエデやサクラなどが植林されてきました。 現在でもその多くが国有林で、植生は人の手によって管理・維持されています。庭園そのものと借景の嵐山が一体となった眺め、それはまさに人がつくった絶景だったのです。 ■偶然が生んだ紅葉の名所 瀬戸内海に浮かぶ、広島の宮島。ここにはその名も「紅葉谷(もみじだに)」という、紅葉の名所があります。 宮島の最高峰・弥山の麓にあり、秋になると約700本ものカエデが鮮やかに赤くなりますが、実は江戸時代から植林してきたもので、ここも人がつくった絶景なのです。江戸時代のもみじ狩りの様子を描いた絵図も残っており、当時から日本人が紅葉を愛でてきたことがよく分かります。 宮島には、人と偶然が生み出した紅葉の名所もあり、そこも番組で撮影しました。世界遺産「嚴島神社」の末社・豊国神社の「床もみじ」です。 この神社は約450年前に豊臣秀吉が建立を命じたものですが、途中で建設がストップして、一部の外壁がない未完のまま。さらに社殿は丘の上に建っているのですが、丘の麓から高さ20メートルの大銀杏がそびえ、その大銀杏の中段がちょうど社殿の中から抜けよく見える位置に達しています。