紅葉の名所の世界遺産!京都・嵐山、嚴島神社の宮島、白川郷…実は人がつくった日本の秋の絶景
そして秋のシーズンになると、黄色く色づいた大銀杏の姿が、社殿の床に鏡のように映るのです。この神社の床や柱など建物の約8割が建設当時のままで、450年という時の流れが床に磨きをかけてきました。「床もみじ」は、こうしたいくつもの偶然と人の営みが生み出した紅葉の絶景です。 ■合掌造りを支える山の木々 岐阜県の白川郷も、秋の紅葉シーズンに撮影しました。江戸時代から建てられてきた合掌造りの集落と、暖色系に色づいた周囲の里山。どこか懐かしい、日本の原風景です。 この里山の森も、昔から伐採や植林を繰り返してきた二次林で、人の手が入ったものなのです。里山はいろいろな形で利用されてきましたが、合掌造りの建材にも山の木々が使われています。梁にはアカマツ、床には耐久性のあるスギやヒノキなどなど。 特に合掌造り最大の特徴である茅葺きの屋根の棟を固定している部分には、クリの木が使われています。番組でも撮影しましたが、茅葺き屋根から横にいくつも突き出している角材がそれで、「ミズハリ」と呼ばれます。ミズハリは雨風にさらされるため、特に水に強いクリの木が使われているそうです。クリの木も里山にあり、秋になると色づきます。 世界遺産で見ることが出来る紅葉の絶景、人がつくったもの以外にも白神山地や富士山麓などの自然が生み出したものも多々あります。こうした日本の世界遺産で撮った紅葉シーンをまとめた特集を放送すべく現在制作中です。 そのため日本各地のさまざまな紅葉を見直しているのですが、夏から秋になって一気に冷え込むと木々は鮮やかに色づきます。まさに四季のある国ならではの美しさだと、番組を作りながら再認識した次第です。 執筆者:TBSテレビ「世界遺産」プロデューサー 堤 慶太
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