【ボートレーサー養成所・修了記念】吉田一心が馬野耀以来14人目の大阪支部チャンプ
ボートレーサー養成所(福岡県柳川市)で20日、1年間の厳しい訓練に耐え抜いた135期による修了記念競走が行われた。約350人の関係者が見守る中、第5Rでは同期のチャンピオンを決める「養成所チャンプ決定戦」が行われ、2号艇の吉田一心(20)=大阪=が抜きで勝利。大阪支部では120期の馬野耀以来14人目のチャンプに輝いた。2着には3号艇の鈴木柊介(19)=静岡、3着には1号艇の宮崎心之介(22)=埼玉=が入った。郷土勢8人を含む29人(うち女子9人)は11月1日の戸田、児島を皮切りに全国各地でデビュー戦を迎える。
■ヒーロー 自分のターンで吉田がチャンプの道を切り開いた。リーグ戦勝率1位で1号艇の宮崎心之介は、展示から脇目も振らず6コースを選択。2号艇だった吉田にとっては思ってもみないインコースとなったが、「逃げるだけ。自分のターンをしようと思った」と覚悟を決めてスリットラインを駆け抜けた。 ただ1Mは「(ターンで)膨らんだ」こともあり、3号艇の鈴木柊介に差されてV逸のピンチ。それでもBSでは「ここなら勝負できる。焦らずに2Mで勝負しよう」と自らに言い聞かせ、2Mは強い気持ちで全速ターンを決めると一歩リード。「2周1Mはしっかり丁寧に」とミスなく旋回。「最後の1周のランプがついて後方に誰もいなかったので、そこで確信した」とセーフティーリードを保つと「最高に気持ちが良かった」と歓喜のゴールに飛び込んだ。 祖父母に住之江ボートに連れられていくうちに選手を志願。「一度試しにと受けたらたまたま受かった」と予期せぬ結果にも「チャンスを逃さないように」と迷いなく養成所の門を叩いた。千載一遇の好機をつかむ姿勢はレーサーになる前から備わっていた。 現在、関西大学に通う学生の身でもある。「目標は同じ関大に在学しながら活躍されている石本裕武選手。追い付いて、追い越せるように頑張りたい」と同じ境遇の身近な存在をお手本にする心づもりだ。「全速で握って(ファンが)感動できるレースを一走でも早く提供できるように頑張りたい」。デビュー戦は11月16日に住之江で迎える。先輩が築いた道を迷うことなく追いかけ続け、大阪支部第二の〝文武両道レーサー〟を目指す。(古賀正史) ■プロフィル ◆吉田一心(よしだ・いっしん)2004年3月25日生まれ。大阪府堺市出身。関西大北陽高―関西大経済学部在学中。登録番号5376。養成所のリーグ戦では同期で唯一の全6戦オール優出。第5戦では優勝を果たした。リーグ戦の通算勝率は7.33で2位。171センチ、53キロ、B型。