アディダスのリボンシューレースがZ世代に人気 需要を受け商品化へ
「アディダス(adidas)」が今年4月、「サンバ(SAMBA)」「ガゼル(GAZELLE)」「ハンドボール スペツィアル(HANDBALL SPEZIAL)」の3モデルを打ち出したキャンペーンイベントで無料配付した「リボンシューレース」が、今、密かにZ世代の心を掴んでいる。 【写真】メルカリの販売ページ
アディダスは、今年4月26日から28日までの3日間、同キャンペーンのポップアップイベントをアンノン原宿(UNKNOWN HARAJUKU)で開催。会場では、スニーカーリメイクができるワークショップを実施したほか、3モデルのいずれかの購入者を対象に、アディダスのトレフォイル柄をデザインした「トレフォイル リボンシューレース」を配付。このシューレースが若者を中心に支持を集め、転売されているケースも見られる。 フリマアプリ「メルカリ」を見てみると、イベントが開催された4月から現在に至るまで、無料だったはずのリボンシューレースが有料で出品されている。高額なもので5000~6000円の値段が付けられ、取引に至っている。
「バレエコア」人気が後押し、Z世代狙いの戦略が奏功
今回、スニーカーのノベルティとしてリボンシューレースの配付に至った経緯について、担当者は「『多くの人に自由なスニーカースタイルを楽しんでいただきたい』というコンセプトのもと、よりスニーカースタイルを楽しめる方法がないかと考えたところ、Z世代で流行しているリボンをスニーカーに合わせることで、さらに個性豊かなスニーカースタイルが生れるのではないかと考え、ノベルティとして制作しました」と説明。オーガンジーのリボンとカジュアルなスニーカーという、一見ミスマッチに思えるスタイルの背景には、近年、ウィメンズファッションのトレンドとして注目を集める「バレエコア」スタイルの存在がある。 バレエコアとは、バレリーナのスタイルが元となった、リボンやチュール、フリルなどのディテールを取り入れたスタイリングを指す。足元にはバレエシューズやメリージェーンといったフラットなアイテムを組み合わせることが基本だが、その新たな選択肢となったのが、リボンを纏ったスニーカーだと言える。 アディダスが同キャンペーンで打ち出した3モデルは、厚底でボリューム感のあるハイテクスニーカーとは異なる、ロープロファイル(薄底)のクラシックなデザインだ。同モデルをリボンシューレースと組み合わさることで、バレエコアスタイルをカジュアルに昇華することができる。そうした要素が、今回のシューレースが若者人気に火をつけた要因として考えられる。 Z世代をターゲットにしたシューレースの配付が功を奏し、今年4月、ポップアップ近隣店舗の「アディダス オリジナルス フラッグシップストア 原宿」では、20代の女性の来店数が昨年の実数を大きく上回ったという。人気を受け、アディダスはリボンシューレースの商品化を決定。8月下旬に店頭での販売開始を予定している。なお、現時点では価格やカラー展開などの詳細は未定となっている。