〔NY外為〕円、153円台前半(26日)
【ニューヨーク時事】26日のニューヨーク外国為替市場では、トランプ次期米政権による関税強化策への警戒感から円が引き続き買われ、円相場は1ドル=153円台前半に上伸した。午後5時現在は153円04~14銭と、前日同時刻(154円13~23銭)比1円09銭の円高・ドル安。 トランプ次期大統領は25日夕、不法移民や麻薬の流入が止まるまで、中国に10%、カナダとメキシコに各25%の追加関税を課す方針を発表した。「貿易戦争」への発展を警戒し、3カ国の通貨が対ドルで下落。一方、円は安全資産としての観点から物色され、ニューヨーク市場入り前後の時間帯と終盤に一時153円近辺まで上昇した。 ただ、関税引き上げは米国内のインフレ再燃をもたらすとの見方が多く、米金利の持ち直しを眺めてドルも底堅い値動き。午後公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月6~7日開催分)では、インフレが引き続き高ければ、利下げ停止の可能性を一部参加者が指摘していたことが明らかになり、市場は翌27日に発表される物価指標に注目している。ロイター通信の調査によると、10月のコア個人消費支出(PCE)物価指数は、前月比0.3%上昇(9月0.3%上昇)、前年比2.8%上昇(同2.7%上昇)と、インフレ鈍化ペースの停滞を示すと予想されている。 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0485~0495ドル(前日午後5時は1.0492~0502ドル)、対円では同160円57~67銭(同161円77~87銭)と、1円20銭の円高・ユーロ安。