「最後にすき焼きを美味しそうに」桂由美の個人マネージャー・山本由美子『徹子の部屋』収録後の晩餐と最後の会話
「また3人でここに来ようね」と約束したのに、まさかそれが最後の晩餐になるなんて思いもしませんでした。 ── すごく元気でいらしたのですね。 山本さん:もちろん高齢でしたから、体調がすぐれない日もありましたが、特に健康状態に問題はありませんでしたし、出張にも出かけて、すごくパワフルだったんです。94歳という年齢でしたが、本人もまだまだやりたいことがたくさんあると言っていて、私の息子に「じゃあ次は、お肌の対談をよろしく!」と言っていました。
心もすごく若くて軽やか。「女性に年齢なんて聞くものじゃないわよ」とよく言っていて、実は94歳になるまで年齢非公開だったんです。ただ、トーク番組で、戦時中や空襲の時の体験談をいろいろと話すので、「それだと年齢わかっちゃいますよ?隠す意味ありますか?」と伝えるのですが、本人は、「それはいいの!」と(笑)。肩をすくめるようなジェスチャーをするので、思わずクスっと笑っちゃうんです。
■留守番電話の履歴が「桂由美」でびっしり ── 最後に会話を交わしたのは、いつだったのでしょうか? 山本さん:亡くなる前日ですね。先生は出張中だったのですが、電話がかかってきて、「『徹子の部屋』のオンエア日って、いつだっけ?」と聞かれたんです。でも、私は言わなかったんですよね。 ── なぜですか? 山本さん:メディアのお仕事は情報解禁日があるので、マネージャーとしては、その取り扱いには注意しないといけないのですが、先生の場合、サービス精神が旺盛で、なおかつ素直で無邪気な性格なので、人から聞かれると、つい嬉しくなって、どんどんしゃべっちゃうんです(笑)。しかも、いつも通話をスピーカーにするので、周りに人がいるかを確認してから話さないといけないんです。だから、「先生に話すと全部しゃべっちゃうので教えません!」と言い合いをしたことも(笑)。
何か思いついたり、聞きたいことがあると、すぐに私に朝、夜、またお正月も関係なく電話をかけてくる“電話魔”でもありましたね。留守番電話の履歴が「桂由美」でびっしり埋め尽くされることも(笑)。 ── 聞けば聞くほど、“お茶目な方”という印象です。 山本さん:少女のようなところがあって、憎めないんですよね。人を喜ばせるのが大好きな人なんです。あれほど有名な方ですから、外出する時は、誰かが同行すると思うじゃないですか。ところが、どこに行くのもひとりでタクシーに乗って出かけちゃうんです。メディアの仕事だと、私が同行するのですが、そのほかは、基本的に単独移動でした。
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