青山学院・鶴川正也「やめたい」「走りたくない」両親に人生初の弱音 最初で最後の箱根駅伝のチャンスをつかんだ復活の裏側
2025年1月2、3日に行われる第101回箱根駅伝で、連覇を狙う青山学院大学。原晋監督が“エース”と期待を込めたのが鶴川正也選手(4年)です。 【動画】取材担当アナウンサーによる出場大学紹介 青山学院大連覇へ盤石の布陣「最強」に注目! 今季は出雲駅伝と全日本大学駅伝で区間賞。また5000mと10000mで大学記録を更新するなど、箱根駅伝のメンバーに4年目にして初めて選ばれました。 一時は走ることを「やめたい」と口にした“スーパーポジティブ男”が復活を遂げたそのワケはー。
■「1番になりたい」子どもの時から走ることには負けず嫌い 中学ではサッカー部ながら全国3位
「明るくなっちゃう。落ち込まないんですよね」と自身を語る鶴川選手は、熊本出身の4人兄弟の長男。小学生のときに出たマラソン大会をきっかけに、走ることが大好きになり、中学時代ではサッカー部に所属しながら陸上の全国大会にも出場。なんと3000mで3位に入りました。 その姿に父・和宏さんは「全国大会レベルで戦えるんだとびっくり」、母・美樹さんは「やっぱり走るのが本当に好きなんだな。走ることに関しては1番になりたい。運動会でもなんでも“1番になりたい”と口に出して言っていた」と思い返します。 九州学院高校に進学すると、2020年の全国高校駅伝1区で区間賞。次は憧れの青山学院大学で1番にー。「1年生から学生駅伝で大活躍したい」と駅伝強豪校の門をたたきました。
■父も認める“スーパーポジティブ男”
期待されて入部したものの、度重なるケガで駅伝のメンバー争いから離脱。1、2年時は一度も出雲、全日本、箱根の出場がかないませんでした。 それでも母・美樹さんは「遠く離れている私たちの方が落ち込む」と話し、「“ここから僕は絶対に走れる。来年は絶対に走れる”って切り替えが早くて」と息子の言葉に驚きの様子。また父・和宏さんも「スーパーポジティブ男だと思っている」と語りました。 絶対に走れる。駅伝のメンバーになって箱根駅伝へ。“スーパーポジティブ男・鶴川”はひたむきに練習を重ねました。 ようやくチャンスをつかんだ3年目。まずは出雲駅伝で1番になってチームに貢献する。アンカー6区を任された鶴川選手は、強い気持ちでタスキを受け取ります。 しかし、思いとは裏腹に、差は広がるばかり。区間7位、チームの順位を落としてしまいました。 「そんなに甘くないということが分かりました。まだ始まったばかりなので、この悔しさをバネに全然頑張れます。まだまだ行きます」 決して弱音を吐きません。涙は心の奥に隠す男でもあります。