「こんなうまいものがあるのか」…20歳の青年が、オホーツクの旅で《ホタテ貝の刺し身》に感動、その後はじめた「意外な商売」
山に広葉樹の苗を植える漁師たち
2014年(平成26年)6月、第26回「森は海の恋人植樹祭」が開催されました。気仙沼湾に注ぐ大川上流の岩手県一関市室根町の山に漁師さんたちがブナ、ナラ、クヌギなどの落葉広葉樹の苗を植えているのです。 この日は、はるばるフランスからパトリック・ルイ・ヴィトンさんも参加してくださいました。フランスの高級ブランド、「ルイ・ヴィトン」の5代目当主です。この日のために、出張の日程を合わせたらしいのです。 「えっ、なんでルイ・ヴィトンの社長がいるの?」 と、思われる人もいるでしょう。パトリック・ルイ・ヴィトンさんとの素晴らしい出会いとかかわりについては、のちほど詳しくお話しますね。 …つづく「「森には魔法使いがいるんだよ」…宮城県、三陸の養殖家が、世界中を旅して知った「カキの旨み」の正体」では、牡蠣の養殖家が森に目を向けるようになったきっかけに遡ります。 連載『カキじいさん、世界へ行く!』第1回 構成/高木香織 ●プロフィール 畠山重篤(はたけやま・しげあつ) 1943年、中国・上海生まれ。宮城県でカキ・ホタテの養殖業を営む。「牡蠣の森を慕う会」代表。1989年より「海は森の恋人」を合い言葉に植林活動を続ける。一方、子どもたちを海に招き、体験学習を行っている。『漁師さんの森づくり』(講談社)で小学館児童出版文化賞・産経児童出版文化賞JR賞、『日本〈汽水〉紀行』(文藝春秋)で日本エッセイスト・クラブ賞、『鉄は魔法つかい:命と地球をはぐくむ「鉄」物語』(小学館)で産経児童出版文化賞産経新聞社賞を受賞。その他の著書に『森は海の恋人』(北斗出版)、『リアスの海辺から』『牡蠣礼讃』(ともに文藝春秋)などがある。