【スーパーラグビー・パシフィック】アップセット! 第14節、クルセイダーズがブルーズ撃破でプレーオフへの望みを残す
スーパーラグビー・パシフィック第14節(5月24~26日)、NZ国内のダービーマッチは盛り上がった。 5月24日、ハミルトンでおこなわれたチーフス×ハリケーンズは、テストマッチ並みのレベルの高い試合だった。前半14-0で大きくリードするハリケーンズに対し、チーフスは後半、猛烈に追い上げた。 残り時間10分を切ったところで同点となる。最終的には、終了間際にPGを決めたハリケーンズが20-17と激戦を制した。 5月25日のクルセイダーズ×ブルーズも盛り上がった。首位を走るブルーズが自信を持ってクライストチャーチに乗り込む。クルセイダーズにトドメを刺しに来た。 シーズン終盤になっても2勝しかしてない昨年の覇者、クルセイダーズに勝ち目はない。それが大方の予想だった。 それが当たれば、クルセイダーズのシーズンエンドが決定する状況だった。 まさに崖っぷち。プレッシャーがかかる中、メディアを騒がせる出来事があった。 成績不振とあり、これまで以上に指揮官のロブ・ペニーHCへの風当たりが強くなっていた。水曜日(5月22日)のメディアセッションで、ある一人の記者が必要以上に厳しい質問を投げかけた時だった。 ペニーHCは若干イラついた様子を見せていたものの、何とか対処していた。 しかし、ペニーHCがその場を去る時にメディアマネージャーに発した言葉がマイクに拾われた。それは、かなり不適切な言葉で、結果、報道が過熱した。 同HCは直ぐに謝罪。侮辱的な言葉を受けた記者もそれを受け入れた。そのことをCEO自ら声明文として表に出した。 ピッチ外での騒動が、チームにどのように影響するのかも注目された。 ◆絶好調のブルーズ相手にくらいつくクルセイダーズ。 第14節を前に12試合でわずか2勝。プレーオフに向けて望みが薄い状況にもかかわらず、多くの観客がアポロプロジェクト・スタジアム(クライストチャーチ)に駆け付けた。 負けたら終わりという事もあり、スタジアムのアナウンスは、いつも以上にホームチームを盛り上げようとしているようだった。それに合わせるように観客も、クルセイダーズに声援を送った。 試合は、10分にブルーズにPGで先制された。ケガから復帰のFLイーサン・ブラッカダ―がディフェンスを引きずりながらインゴールになだれ込んだ(7-3/19分)。 それに対しブルーズも、すかさず反撃。PRオファ・トゥンガファシがパワーを見せつけ、22分と35分にトライを挙げる。クルセイダーズは7-15と8点差 をつけられた。相手の勢いを前にスタジアムは、また負けてしまうのか、という雰囲気となった。 そんな空気を一掃したのが、シーズン終盤になって休養からチームに戻ったHOコーディー・テイラーだった。 前半終了間際、相手反則でPKを獲得したときだった。テイラーは躊躇せずクイックタップで突破を試みる。その速攻が奏功し、14番のチェイ・フィハキのトライを演出した。12-15の3点差と何とか食らいついてハーフタイムを迎えた。