京都・龍谷大龍谷ミュージアムで特別展 初公開の浮彫など約30点、仏の姿や仏教徒の思いに焦点
龍谷大龍谷ミュージアム(京都市下京区)で9日、特集展示「仏・菩薩(ぼさつ)の誓願と供養者の願い」(京都新聞など主催)が始まった。人々を救おうと努める仏の姿や、安らかに過ごすことを願って功徳を積む仏教徒の思いに焦点を当て、浮彫や経典など約30点を展示した。 「仏説法図浮彫」(ガンダーラ、3~4世紀)は今回が初公開。説法印を結んだブッダの周囲には、菩薩や救いを求める人々が配され、その構図は「浄土図」の原形とも言える。近くには「阿弥陀浄土図壁画」の写真パネルもあり、見比べることもできる。 さまざまな願いを託された経典も複数並ぶ。「世の苦しみから、結縁(けちえん)の人々が救われんことを願う」と平安時代の僧侶が書写に7年を費やした「大般若経」の一部もあり、当時の人々が時間と労力を費やし、切実に願ったことが伝わる。 特別展示はシリーズ展「仏教の思想と文化―インドから日本へ」の一部。2月16日まで。有料。