外国人が「日本の運転免許証」住所欄を“ホテル”にして取得? “合法”だが…「平等とは言い難い」国際事情
外国人が、住所欄を「滞在先ホテル」にした日本の運転免許証を取得している――。 10月頃、このような話がネットやSNSでにわかに注目を集めた。 中国人が早朝から大行列を作っているという「府中運転免許試験場」 違法性を感じた人もいるかもしれないが、日本には外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えられる「外免切替」という制度があり、滞在先ホテルの住所で申請することに法的問題はない。 ただし、普通免許の場合は手数料4600円(申請料2550円+交付手数料2050円)と少額で申請できることや、後述する知識・技能確認(試験)の内容などから「緩すぎるのでは」との声もあり、訪日・在留外国人の増加などで外国人による事故のニュースが目立つ今、不安に感じている人も少なくないようだ。
いつからある制度?
外免切替について初めて知った人もいるかもしれないが、いつからある制度なのだろうか。編集部の取材に、警察庁は下記のように回答する。 「いわゆる外免切替の制度については、もともと『自動車取締令』(昭和8年(1933年)制定の内務省令)において規定され、現在は、『道路交通法』90条1項、97条の2-3項等の規定や、『外国免許関係事務取扱い要領』に基づき運用されています」(同庁交通局運転免許課) 自国での手続きで取得できる「国際免許証」もある中、わざわざ日本で、日本の運転免許証を取得するのはなぜか。 FNNプライムオンラインが10月22日に配信した記事では、外免切替を求める中国人が東京・府中運転免許試験場に早朝から大行列を作る様子が報じられている。彼らの場合は、中国がジュネーブ条約に加盟していないため国際免許証を取得できず、運転できる国が非常に限られている。しかし、外免切替の制度を利用して日本の運転免許証を取得することで国際免許証の取得が可能となり、日本はもちろん、同条約を締約している約100カ国で運転できるようになるという。 その他、国際免許証の有効期限は発行から1年間のため、それ以上の長期滞在となる人が、外免切替で日本の運転免許証を取得するケースも含まれていると考えられる。