「M-1は点数制じゃなくていい」漫才を過剰なまでに考察する令和ロマン・高比良くるまがM-1審査の持論を明かす
M-1グランプリ2023王者、令和ロマンの高比良くるま(※高ははしごだか)の初著書『漫才過剰考察』がヒットしている。 【写真】それどんな感情⁉ 自著を指差す「高比良くるま」の表情を見る 内容は文字通り、高比良が漫才を“過剰なほど”考察し尽くすというものだ。2015年から2023年のM-1を事細かに分析するに止まらず、今月22日に決勝が行われる2024大会の優勝予想までしている。また、劇場で披露される「寄席」の漫才や東西漫才の違い、南北の笑いの特徴、果てには漫才の世界進出まで「過剰考察」していて、看板に偽りなしだ。 さらに、2018年M-1チャンピオンの霜降り明星・粗品との対談も収録されている。滅多に笑いの手の内を明かさない粗品が漫才論を語ったと話題を集めているが、なぜこの対談が実現したのだろうか? また、もし高比良がM-1を演出するならどんな大会にするのか? 高比良自身が、インタビューで答えてくれた。 ***
■「人生でいちばんしんどかった」令和ロマン・高比良くるまが『漫才過剰考察』を書いたワケ
――初の書籍発売、おめでとうございます。『漫才過剰考察』を出版するに至った経緯や、本のポイントを教えてください。 ありがとうございます! この本は、もともと辰巳出版さんのWEBマガジン「コレカラ」で連載していた企画で、M-1優勝を機に書籍化しようじゃないかということになりました。ポイントとしては、僕がすごく活字が読めない人間なので、そんな人間でも読めるような、喋ってるみたいに書いている本なので、バーッと一気に読んでいただきたいですね。 ――活字が読めないとのことですが、そもそもweb連載のオファーを受けたのはどのようなきっかけだったんでしょうか。 それはもうトレーニングの感覚ですね。だって恥ずかしいじゃないですか。オファーが来たときは28歳でしたけど、文章が書けないのは恥ずかしいなと思って。それに、またコロナ禍みたいになって舞台に立てる場がなくなるかもしれないと考えたときに、舞台に立たずともできる仕事を増やしていきたいなと思って受けました。 ――もともと活字が苦手なのに加え、M-1優勝後の多忙なスケジュールのなかで、執筆はかなり大変だったんじゃないかと思います。 すんごい大変でした。人生でいちばんしんどかったです。一瞬かっこつけて新書っぽく書いてみようとも思ったんですが、なんか下手くそで恥ずかしくなっちゃって。それで編集の方と一緒にお話ししながら、その内容を文字に起こして、その書き起こしたテキストをベースに書いていく、みたいな作業を何回もやりました。何回もお話しながら書き進めて、その間にもザセカンド(「THE SECOND ~漫才トーナメント~」、フジテレビ)とか、ABCお笑いグランプリ(朝日放送テレビ)とかがあって、お笑いのトレンドが変化していってしまうので、その中で修正修正を重ねていきました。この本の賞味期限は……うーん、2025年の5月くらいまでは持つかなって感じですね。それぐらいまでは書いています。 ――本の表紙も目を引きますが、なぜこのデザインに? シンプルな新書みたいな本だとちゃんとした内容を書かなきゃいけなくなっちゃうので、そうじゃなくて、自分の頭の中にある言葉がバーッて出て来てますよ、という感じです。文字がいっぱいあって、というイメージをお伝えして作ってもらいました。ロックバンド・RADWIMPSが2011年に出したアルバム『絶対絶命』のジャケットのイメージですね。