「M-1は点数制じゃなくていい」漫才を過剰なまでに考察する令和ロマン・高比良くるまがM-1審査の持論を明かす
■「粗品さんがお笑いを語ることってなかなかないですけど…」2万字超の大ボリューム対談が実現
――本には粗品さんとの対談も収録されていますが、なぜ対談が実現したのでしょうか。 粗品さんがお笑いを語ってくれることってなかなかないと思うんですけど、個人LINEでお願いしたら一発でOKしてくれました。粗品さんは本当に義に厚い、優しい人なので「くるまの本やったらええよ」ということで承諾してくれました。お話しさせていただいて嬉しかったです。内容に関しては、普段なかなか自分のお笑いに対する考えを語らない粗品さんが手の内を明かしてくれている、というところと、あとは粗品さんがいかに僕と違うのかというのを楽しんでいただきたいですね。恐れ多いことにネットとかでは僕と粗品さんを似ているように捉えている方もいるんですが、考え方から何から何まで違うというのが分かると思います。対談だけで2万字以上あるので、ぜひ読み解いていただけたら。 ――NON STYLEの石田さんがほぼ同時期に、『答え合わせ』を出されていますが、影響を受けた部分はあったんでしょうか。 すごく影響を受けました。ポケモンとかと一緒でやっぱ同時に2冊セットで、出版社の垣根を越えて一緒に販売できればよかったんですけど……まあ越えられずということで。でも心の中ではセットのつもりです。石田さんが膨大な経験とさまざまな実績をもとに正しい漫才の指南をしたときの説得力がすごかったんで、自分が書いている中で石田さんの本とかぶっている内容は消しました。石田先生が正しいことは教えてくれるんで、学校では教えてくれないところみたいな、所さんの、みたいな、そこんトコロ! みたいな感じですね。なのでお笑いヤンキーのみなさんに読んでほしいですね。
■もし自分がM1を演出するなら、点数やめてみる
――本の中ではM-1グランプリについても熱く語られていますが、もし、くるまさんがM-1の演出・進行を任されるとしたら、どうしますか。 えー! なんだろ。でもあれですかね、ちょうちょがどっちに飛んでいくかで決めるのが、あれがいちばんいいですよね。(※)それか、点数っていうところで革命を起こしてもいいですよね。例えば点数をつけるんじゃなくて、審査員が自分の中のベスト3をつける。全組終わってからそれぞれのベスト3を発表して、平均順位の高い上位3組が最終決戦に進出する、みたいな。ちょっとガチすぎます? ここまで考えなくてもいいか(笑)。でも点数じゃなくてもいいのかなっていうのは思いますね。 ※「女芸人No.1決定戦 THE W」(日本テレビ)の審査結果発表の演出。1票入るごとにちょうが飛んで票が入った方に止まる。