A級陥落決まった競輪界のレジェンド・神山雄一郎が防府G3最終日に通算908勝目挙げる「やっぱり競輪が好き」
防府競輪「万博協賛 周防国府杯争奪戦(G3)」は4日、最終日を開催。1レースの一般に出走した神山雄一郎(56歳・栃木=61期)に話を聞いた。 朝から大勢のファンが詰めかけている防府競輪場が1Rから沸いた。通算907勝を挙げているレジェンドの神山雄一郎が、赤板から逃げた笠松将太の番手から1着。捲ってきた城戸俊潔を止めて差し切ると、ゴール前のファンからの拍手がしばらく鳴り止まなかった。 「笠松君には2日目に迷惑を掛けてしまっていたので頑張らないとって思っていた。捲りが来ていて、あれ(ブロック)で失格とかをしていたので注意しながら、でした。でも笠松君がいいカカリをして3コーナーまで入ってくれた。あれだけ我慢して踏んでくれたら、こっちもそこまで当たらなくても止めることができる。良かったです」 防府は16年4月のGII・共同通信社杯を制した思い出のバンク。意外にも防府記念出走は初めてだった。 「もう9年も経つなんて早いですね。お客さんの声援もすごい。スタンドもリニューアルして、一段とお客さんが多いかなって気がする。選手の方は変わってないけどね。それにしてもなかなか1着を獲るのは大変。もうちょっとやれるかなと思って来たんだけど、9、9(着)になるとは思わなかった。しっかりとレースに備えて、万全の準備をして臨んだ結果なんですけどね。今日はトレーニングの成果を感じながら4コーナーを回れた」 10節ぶりの白星を噛みしめながら言葉を発した。56歳を突き動かす原動力について質問が飛ぶと「やっぱり競輪が好きだから」と笑った。 「前、後ろを回ってくれる選手の心意気を感じるし、それに応える、報いるためには練習をしないと。今回は9、9っていうあまり獲ったことのない着を獲ってしまった。それを払拭するためにも、また帰ってから、明後日あたりからまた練習します」 1月からは35年ぶりのA級落ちが決まっており、今後の動向に注目が集まっている。正規配分の通りなら、次走は27日からの奈良FI。ただひとつ言えるのは、次のレースで1着を獲るため、ラインの仲間の気持ちに報いるためにトレーニングを続ける。(netkeirin特派員)