【詳報】自民総裁選 加藤勝信氏が出馬正式表明 「国民の所得倍増」最優先で推進
自民党の加藤勝信元官房長官(68)=衆院岡山5区=は10日、国会内で記者会見し、党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を正式表明した。「協創『新しい日本』」をキャッチフレーズに掲げ、賃上げと国内外からの投資拡大による「国民の所得倍増」を最優先で推進する考えを強調。「全ての人が幸せを感じ、安心して活躍できる社会を実現する」と訴えた。総裁選に名乗りを上げたのは8人目で、立候補制となった1972年以降の最多を更新した。 【動画】加藤氏の記者会見 加藤氏は長年にわたるデフレで日本経済は深刻な状況にあるとして「強い覚悟を持って国民の豊かな生活を実現しなければならない」と指摘。「培った全ての力を投入し、所得倍増にあらゆる手段を尽くす」と決意を語った。 当面の経済政策としては「実効性のある大胆な補正予算を編成し、早期の成立を目指したい」と説明。企業の内部留保を活用した賃上げや設備投資が重要だとし「賃上げを起点に新たな経済の好循環を生み出す」との考えを示した。 公約とする「ニッポン総活躍プラン」には所得倍増をはじめ、地域を支える企業の成長力強化▽給食費や子ども医療費、出産費用の負担ゼロ▽女性の活躍推進―といった8項目を列挙。自衛隊と緊急事態条項を明記する憲法改正を目指すことも盛り込んだ。 派閥裏金事件に端を発した「政治とカネ」問題にも言及。「違反を是正、チェックする体制を持っていなかったのは党の責任」と述べ、政治資金収支報告書への不記載相当額を国庫に返納する手続きを検討すべきだとした。
会見後、記者団から衆院解散・総選挙の時期について問われ「(新しい政権は)できるだけ早く国民の信任を受けることが必要だ」と語った。 加藤氏は2003年に初当選し7期目。政策集団に衣替えする茂木派に所属し、総裁選には初めて挑む。茂木派では茂木敏充幹事長(68)も既に出馬を表明している。