《大敗は石破総理の“自損事故”》“選挙の神様”元自民党事務局長が挙げたカギを握る「4人の若手」
10月27日に投開票された衆院選では、自公合わせて215議席と、15年ぶりに与党で過半数(233議席)を割り込んだ。自民党はなぜ歴史的大敗を喫したのか、焦点となっている野党との連立工作はどうなるのか、そして自民党が復活するための道筋はどこにあるのか。 【画像】“選挙の神様”元自民党事務局長の久米氏 自民党本部で長く選挙対策を担当し「選挙の神様」とも呼ばれる選挙・政治アドバイザーの久米晃氏、長く永田町を取材してきた朝日新聞編集委員の曽我豪氏、政治学者で中央大学法学部教授の中北浩爾氏が語り合った。
石破首相の“自損事故”と言える大敗
まず、自民党の敗因について、曽我氏は石破茂総理への“疑似政権交代”が奏功しなかったと指摘する。 「今度の大敗は、石破さんの“自損事故”と言えます。裏金問題の再調査をせず、約束した予算委員会もすっ飛ばし、非公認を決めておいて追加公認を示唆。そこに来て2000万円問題ですから」
ポスト石破は誰だ?
来夏に参院選を控える中、石破政権の支持率が低下すれば、「石破おろし」の声が高まる可能性がある。「ポスト石破」の有力候補は誰になるのか。 「他党との連携・連立を考えると、保守色の強すぎる高市(早苗)さんに『ポスト石破』は荷が重い。歓迎するのは参政党や日本保守党くらいでしょう」(中北氏)
「小林鷹之さんは極めて優秀」
久米氏は「経験があって、側近がいるという意味では、林芳正さんは候補の一人」と指摘する一方で、若手の登場にも期待を寄せる。 「総裁選に出馬した9人がどれだけ引っ張っていけるかでしょうね。小林鷹之さんは極めて優秀だと思いますよ。他にも、鈴木英敬さんや尾﨑正直さん、塩崎彰久さんら、伸び盛りの若手は数多くいます。彼らがビジョンと夢を語り、有権者に明るい未来を提示してくれることを期待しています」 11月9日(土)発売の「文藝春秋」12月号に掲載した 久米氏、曽我氏、中北氏の座談会「自民党崩壊」 では、選挙結果の要因分析に加えて、「チーム石破」の問題点や、焦点となっている国民民主党との連携、さらに32議席から24議席に減らした公明党との連立の行方や、第2次安倍政権以来続いてきた「官邸一強」の弊害などについてもくわしく議論している。「 文藝春秋 電子版 」では11月8日(金)に公開。
「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2024年12月号